裏・アイドル事情 12 _ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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裏・アイドル事情 12 

15-06-14 09:09

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「裏・アイドル事情 1」へ

翌日、麻美のレッスンは過酷を極めた。
特に優香と早紀に対しては理不尽とまで
思える程厳しかった。

「何でこんなことも出来ないの!
やる気ないんだったら田舎に帰りなさい」
「もう一度・・・お願いします」
優香は悔し涙を必死に堪え、とうに限界を
超えている体に鞭を打った。
「お願い・・・します」
早紀もフラフラになりながら立ち上がる。
他の子達は二人がOK出るまで、
片隅で自主レンをしながら
見守るしかなかった。
「どうしちゃったの、今日の橘先生。
早紀は兎も角、優香さんにまであんなに厳しく」
外野からはそんな声も聞こえてくる。
明らかにこの日の麻美は常軌を逸していた。

「優香さん、大丈夫?」
「放っといて!」
その夜、心配する早紀の慰めにも当り散らし、
布団を被って優香は悔し涙に枕を濡らした。
早紀と違って今まで何でも上手にこなし、
研修生の中でトップを走り続けてきた優香には
初めての試練と言ってもよかった。
「・・・」
そんな優香をただ静かに見守るしか出来ない
早紀は、どうしても許せないことがあった。

その日も二人に対する特訓という名の
しごきは続いた。
案の定、優香と早紀だけ残され、
地獄のようなレッスンを強いられる。
ようやく終わって帰り支度する優香に
早紀がにっこり笑って言った。
「優香さん、先帰ってて。
私、これから先生と話あるから」
「じゃあ、私も待ってるよ」
「いいの、いいの。きっと遅くなるし、
迷惑かけられないから」
優香は何となく腑に落ちない気もしたが、
ひどく疲れてもいたので素直に帰っていった。
その頃、麻美は誰もいなくなったシャワー室で
一日の汗を流していた。
(すっかり遅くなってしまった。
あの子達どう思ってるかしら?
きっと鬼コーチと思って恨んでるでしょうね。
何せ仕事場に私情を挟んでるだけだもの)
麻美は自分でもコントロール出来ない感情に
戸惑っていた。
いけないことだとわかっていても、
二人を認めたくない気持ちが先立ってしまう。
どうしても自分の中で割り切れない思いが
言動に表れてしまっていたのだ。
その時、誰もいるはずのない
シャワー室の扉が開く音がした。
カチャ。
「誰?・・・」
当然麻美は身構えるように入室者に尋ねた。
「私です。白戸です」
麻美の目の前に恥ずかしがることもなく
一糸纏わぬ姿で早紀が現れた。
「ここはメンバー使用禁止よ。
早く出ていきなさい。失礼でしょ」
特に裸を隠す様子もなく近寄ってくる
早紀に対して、麻美は両手で
胸とデルタ地帯を隠した。
「あのう、質問があって。
どうしても橘先生にお聞きしたい事が
あるんです」
「見たらわかるでしょ。今シャワー中よ」
「はい。だから来ました。
先生は女性がお好きですか?」


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