裏・アイドル事情 1_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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裏・アイドル事情 1

15-06-14 09:10

H県の片田舎にあるマンションの一室。
「んん~、いっぱいしたね、先生」
両手を大きく広げ、窓から燦々と降り注ぐ
太陽の光に、早紀は惜しげもなく
その裸体を曝した。

早紀の清々しい表情とは反対に
ベッドでは精魂使い果たしたように
グッタリとした裸体が横たわっていた。
「ハアハア、情けないわね、先生。
こんなにイカされちゃって。
全部私が教えたのにね。
こんな事覚えちゃって・・・悪い先生ね」
「うん、ありがとね。美穂先生」
早妃は中1の時、当時担任だった美穂に
女同士の愛を教えられた。
以来、学校で、美穂の自宅でと、
禁断の愛を密かに育んでいたのだ。
「早紀はN高校に進学するんだっけ」
美穂は早紀の卒業後、二人の関係が
どうなるのか、それとなく探りを
入れようとした。
別れるにはあまりにも深入りし過ぎていた。
だが早紀の答えは美穂の不安を決定づける
意外なものだった。
「ううん。私、アイドルになるの。
春には東京に行くの。
だから今までありがとうね。美穂先生」
早紀は無邪気な笑顔で呆気にとられている
美穂の唇に軽くキスをした。
それが旅行でも行く時の
軽い挨拶であるかのように。

白戸早紀。15歳。
長い髪をツインテールにしたコケティッシュな
装いは、正にアイドルの卵といった
感じであった。
と言ってもそれは地方の田舎での話。
ここ大都会の東京では早紀程度の美少女は
山ほどいる。
そんな事は早紀自身も充分わかっていた。
『ピーチガールズ』
今世間で最もブレイクしている
アイドルグループ。
全国から集めた少女達は
100名を優に越える
巨大アイドルグループである。
グループとしてもマスメディアで
引っ張りダコだがこれだけの人数、
個性的なメンバーも多く、
個人活動でも音楽以外に
女優、モデル、バラエティー、声優と
多方面に活躍するモンスターグループである。
早紀はこのオーディションに合格して
上京してきたのである。
ピーチガールズの専用会館の前。
会館を見上げ、早紀は密かに心の中で
強く誓った。
(よし!あの方を必ず落としてみせるぞ)
それは早紀がこのアイドルグループの
オーディションを受けようと決めた
真の最終目標でもあった。
会館の前に立つ15歳の少女の野望は、
百数十名いるどの女の子達とも
違っていたのだ。

つづき「裏・アイドル事情 2」へ


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