裏・アイドル事情 11_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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裏・アイドル事情 11

15-06-14 09:10

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「裏・アイドル事情 1」へ

如月瑠衣は透き通るような白い肌が
魅力的な女の子だった。
麻美の初恋の人。

そして苦い思い出の相手。
明るく常に前向きな性格で、
麻美はそんな彼女にいつも
勇気づけられていた。
誰からも好かれる彼女を自分が
独占していることが嬉しかった。
彼女の敏感な体も知り尽くしていた筈だった。
この10年間必死に新たな自分を
模索してきたが、28歳になった今も
彼女の呪縛から逃れられない心の暗闇を
麻美は感じていた。
目の前で繰り広げられている光景は、
ダンスと彼女が全てだったあの頃の自分を
蘇らせていた。
体を時折仰け反らせながら踊るように
全身で悦びを表現する優香の姿が
瑠衣に重なる。
白い肌という以外、特に顔が似ている
訳でもないのだが、快感に打ち振るえる
その表情は麻美を10年前に引き戻した。
何時しか彼女の股間は熱く濡れていた。
両手でラビアを広げ女性の最も敏感な急所を
喜々とした表情で舐める早紀の横顔が、
鏡張りの壁を通して覗けた。
彼女の興奮が嘗ての記憶と共に
こちらに伝わってくるようだ。
その時である。
自分達の行為を眺める為なのか、
はたまた鏡越しの視線を感じたのか、
早紀が鏡張りの壁の方を向いた。
麻美は一瞬彼女と視線があったように感じ、
ドキリとした。
「ああ~ん、早紀~」
中断された優香が普段のきりっとした
態度からは想像もつかない猫撫で声で
続きを催促する。
麻美はその声に急に素に戻り、
これ以上はヤバい気がしてそっと扉を閉めた。
(どうしよう。ここははっきりと彼女達を
戒め責任をとってもらうか、将来のある
彼女達を見過ごすか。
立場上、目撃してしまったのなら
責任を追求しなければいけないのだけど・・)
迷う麻美だったが、自身のパンティーが
ホクホクに濡れて気持ち悪くなっている
ことに気付く。
彼女はその場をそっと立ち去る決断を下した。

つづき「裏・アイドル事情 12」へ


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