この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ
そして、ペニスを掴んでいる加奈さんの手をどかした。
「だめえ」
又ペニスを掴もうとするのを阻み、今度は僕が加奈さんの陰部に手をやってそのままズボンの上から揉んでやった。
「ああ・・・」
顔を仰向けて妖しい声を出す加奈さんを眺めていた。傍で叔父さんも妹を見ている。
「んんん・・・」
加奈さんは首を傾けたり俯いたりして「うーん、いい・・・」などと声を漏らす。
その様がいかにも痴呆じみていて、彼女を弄んでいるような気になった。
なおもしばらく陰部を揉んでいた後、両手で加奈さんの顔を挟んで優しい目で見た。
加奈さんも僕を見て、「ふふ」と笑みを浮かべた。
その頭を撫でてやる。
「僕は悪い男なんですね」
叔父さんに言ったが、返事は無かった。
「本当は元に戻ってほしいのに」
「・・・まあな・・」
「もっとお・・・」
加奈さんに腕を回され、魅力的な瞳でじっと見られるとたまらずその唇にキスをし、強く抱き締めるのだった。
このままずっと一緒にいたい・・・そんな気持ちだった。
しかし叔父さんの冷たい視線を感じてキスをやめ、加奈さんから少し離れて彼を一瞥した。
敵意剥き出しの表情で、妬みの陰険さを感じ取った。
「このままじゃおまえは堕落するぞ」
「・・・」
「こいつは又どこかへ入れた方がいいな」
妬みでねちねち言う叔父がとても嫌で、その気まずい雰囲気に我慢出来なくなった僕はもう家に帰る事にした。
加奈さんは前と同じように嫌がって駄々をこねたが、僕は多少気が咎めながらも敢えて彼女と別れた。
加奈さんをどこか施設に入れるのだろうか?
僕たちを離れ離れにする魂胆でああ言ったんだろう。
ふん、嫌な野郎だ。
しかし、叔父を罵るだけで何も出来ないのが悔しかった。
『結局俺はまだ子供なんだな』母さんに話すわけには行かず、これからどうしたらいいのか思案した。
その年は友里恵さんとも会わずに新年を迎え、早々に彼女と熱田神宮へ初詣に行った。
予想した通り凄い人出にうんざりしたが、着物姿の友里恵さんの艶めかしさに今更ながら惹かれた。
普段見る制服や私服姿とは全く違い、改めて女を感じたのだった。
「雄君、私の虜になったでしょ?」
「女は着物を着ると化けるな」
「そう。私も大和撫子なんだから」
得意そうに言う友里恵さんが可愛く思えた。
16歳の少女のあどけなさと、大人になり掛けている女の色っぽさが一つになって得も言われぬ魅力だ。
僕たちははぐれないように手を結んで人混みの中を進んでいた。
広い境内には若いカップルがたくさんおり、いやが応にもデートの気分は高まっている。
ようやく賽銭箱の前まで着き、一緒に賽銭を投げて手を合わせた。
友里恵さんと加奈さん二人とうまく行きますように、と祈った。
参拝を終え、賽銭箱を後にする。
「何をお願いしたの?」
「ん?うん、まあ・・・」
「私たちの事?」
「そうだよ」
友里恵さんが僕の手を取った。
つづき「狂女21」へ
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