狂女14_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女14

15-06-14 09:13

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ

写真から中々目を離せずにいた時、後ろから加奈さんが抱き付いてきた。
「ねえ・・・」
なまめかしい目つきで僕を見ながらしなを作っている。

その色っぽさに僕は目がとろんとなり、さらに「好き」と言われ、そのままぽおっとなっていた。
叔父さんはにやにや笑いながら僕たちを見ていた。
やがて抗しきれずに加奈さんと向かい合って抱き締め、夢中で彼女の唇にキスをした。
加奈さんはおとなしくされるままになっている。
「ああ、僕も好きです!」
そう言って又激しくキスをした。
加奈さんも僕を抱き、情熱的にキスに応えた。
言い様の無い喜びだった。
やがて彼女から唇を離し、その顔をうっとりと眺めた。
愛らしい美貌には痴呆の様が見られるとはいえ、写真で見た高校生時代の知的な面影も残っている。
このまま加奈さんを性人形のように扱うのが少し気の毒な気もしたが、思わず彼女の胸に手をやり、上着越しに乳房を揉んだ。
「ああん・・・」
甘い声と柔らかい感触に僕は酔いしれた。
目を閉じ、口をわずかに開いて身を任せているこの女性が本当に母さんの妹なのだろうか?
実感が湧かないながらも、はるか年上の女性を女として喜ばせているのが誇らしかった。
まともな人ならこんな事は出来るはずがない。
気がおかしいからこそ僕にも出来るのだ。
そう思っていると、加奈さんが一生このままであって欲しいと願うのだった。
「雄一君も段々慣れてきたな」
勝叔父さんが目を細めて言った。
僕は返事をせずに叔母の胸を揉み続けた。
この女性は気が変なだけではなく、兄によって長い年月を掛けて性人形に調教されてきたんだ・・・。
そして僕は彼の好意でこの人を一時的に可愛がられてもらっているに過ぎない・・・。
言い様の無い不満が胸に溜まって行った。
もしかして、加奈さんが何者かによって強姦されたというのは嘘かもしれない。
いや、たとえ強姦されたのが事実としても、この男が仕組んだものかもしれない。
そんな疑いがふっと僕の頭に浮かんだ。
そうなると、この僕はそのおこぼれを頂戴している、いや共犯のような気さえした。
叔母の乳房を揉む僕の手が止まった。
「どうした?」
「叔母さんは本当に強姦されたんですか?」
「そうだよ」
「・・・」
「前にも言ったじゃないか」
「はあ・・・」
「そうじゃなかったらこんなふうになる訳が無い」
「・・・」
僕はすっきりしないまま叔母を優しく抱き、やや乱れた黒髪を直してあげた。
「もっとも、俺が異常だからこんなになったんだが。人から見たら俺は最低の人間だ。死んだら地獄に落ちる」
叔父さんは真顔で言った。
自分もその仲間で、地獄に落ちるのか・・・。
優しく接していても所詮弄んでいる。
それも、実の叔母を・・・。
いつの間にか僕は獣以下の下劣な人間になってしまっていた・・・。
「まあ、今更じたばたしてもしょうがない。楽しもうじゃねえか」
そう言って叔父さんは妹の腕を掴んだが、加奈さんは「嫌、こっち」と片腕を僕の体に回して逆らった。
そんな妹を不服そうに見ていた叔父さんは「ちぇっ」と腕を離し、「振られちまった。若い方がいいんだとよ」と壁にもたれた。
僕は叔父さんを見た。「俺はもうちょいちょいでいいさ」本心なのか強がりなのか彼は苦笑いを浮かべている。

つづき「狂女15」へ


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