狂女13_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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狂女13

15-06-14 09:13

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ

それを加奈さんが見ている。
照れくさいような気分だ。
「今日は誰にも言わずに来たのか?」
「はい」

テレビが掛かっている中、何となくぎこちない。
叔父さんは僕と加奈さんを意味ありげに見ていたが、「そうだ」と言って部屋を出、やがて戻って来ると、「ほらこれ」と言って一冊のアルバムを見せてくれた。
そこには、小学生の時から最近までの叔母の写真がたくさん貼ってある。
運動会や遠足、自宅前での笑顔の姿、友人たちとの楽しそうな様子など、幸福だった頃の彼女は活き活きしていて実にいい。
特に、高校時代の制服姿には強く惹かれて思わず見入った。
いかにも優秀な女学生らしい知的な美貌と愛らしい笑顔、、すらりとした体型。
もう二十年近く前なのに少し前くらいの感じで、その頃の彼女と付き合いたかったくらいだ。
「昔も良かっただろ?」
「はい」
僕はふと叔父に目をやった。
その笑いが陰険に感じられた。
彼は当時から妹に良からぬ気持ちを持っていたのだろうか?
さすがに薄気味悪くなったが、尚も若き日の叔母の写真を見続けた。
壁にもたれて虚ろな目で口をぽかんと開けているところや、ピンクのパジャマ姿で眠っているところ、さらには風呂場の中での乳房と陰毛も露わな全裸姿など、好奇と欲望による目で撮ったとしか思えない。
『この人は妹が犯されたのを悲しんでいると言ったけど、本当は喜んでいるんじゃないか?』
まるで妹を自宅で飼育しているような扇情的な写真が次々と目に入り、いつしか僕は勃起しながら夢中で二人の過去を辿って行った。
「こんなのを見せるのは雄一君だけだぜ」
叔父さんは下卑た笑みを浮かべ、仲間に向かって言うのだった。
そんな彼に羨望と嫉妬を抱いていた僕は、「凄い写真がいっぱいですね」と口にした。
「俺が結婚しないのもわかるだろ?」
麻薬常習者がまっとうな生活を送れないのと同様、これでは一般の女性に関心を持たなくなるのも無理は無い。
「君にも俺と同じ血が流れているんだぜ」
「・・・」
この先ずっと叔父と一緒に一人の狂女をしゃぶり続ける・・・。
『こいつは今じゃ妹の精神異常を喜んでいるに違いない』
僕は叔父の偽善ぶりを多少不快に思いながらも彼を強く責められなかった。

つづき「狂女14」へ


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