この話はつづきです。はじめから読まれる方は「出会いの街角(一話)」へ
「こわれちゃう、あああ、これ、すごい……いい」
「ミサとおもちゃ、どっちが先にこわれるかな」
「はあ、はあ、あんふう、はあ、はあ、ううう……はあ」
出産に立ち会っているような錯覚をやり過ごすシンジ。
子宮からも、卵巣からも、膣からも、ありとあらゆる液と液とが混じり合い、クスコを通して外に漏れ出してくる。
「イかせて、ああ、もっとお……」
駄々をこねる女児みたいな声でミサがおねだりをする。
シンジの手さばきがそれに応える。
もはやバイブは抜き挿しの残像しか見えない。
「あ、う、う、う、う、う……」
アクメなのか失神なのかわからないような目をするミサ。
痙攣はしているが、感情がうかがえない。
口も利けない様子である。
しかしシンジは凌辱の手を休めたりはしなかった。
アクメから目覚めたばかりのミサを新たなアクメへと突き落とし、失神するかどうかのぎりぎりのラインでもてあそぶ。
ミサは潮を吹き、おしっこを垂れ流し、よだれを垂らした。
達しても、達しても、アクメは何度でもやって来た。
そのうちに涙がこぼれてきて、鼻水が唇を濡らした。
しかし彼女は思う、これは最高のおもてなしなのだと。
何十回と迎えたアクメにもいよいよ麻痺してきた頃、ミサはとうとうシンジの腕の中で意識を失ったのだった。
……数時間後。
彼女が目を覚ます気配があったので、シンジは携帯小説を読むのをやめてミサのそばに行った。
「おはよう」
シンジが言うと、ミサは腫れぼったい瞼を開けて上体を起こした。
「よく眠れた?」
「あたし……」
きょろきょろするミサ。
「チェックアウトしたらさ、ご飯でも食べに行こうか」
「いま何時?」
「土曜日のお昼前」
「えー?」
彼女はベッドから跳ね起きた。
昨夜のまんまの全裸だが。
「きゃっ」
「着替えておいでよ」
「あたしに変なことしなかったよね?」
「変なことか……」
シンジは思い出していた。
夕べは変なことのオンパレードだった。
まさか彼女は記憶喪失になってしまったのだろうか。
シンジは確かめてみた。
「俺の名前は?」
「シンジさんでしょ?」
「きみの名前は?」
「ミサだけど」
「夕べのこと、おぼえてないの?」
「あんまりおぼえてない」
彼女は照れくさそうに微笑んだ。
そこでシンジは自分の携帯電話を取り出し、画面に夕べの写真を呼び出した。
ほら、とシンジが証拠写真を見せると、途端にミサの頬が紅潮する。
「これ、あたし?」
「ぜんぶミサの裸」
「やだあ……」
恥ずかし過ぎて立ち直れそうにないとミサは思った。
「まあまあ、落ち着いて。こんなことをしたのは事実だけど、俺たち、セックスまでは行ってないよ」
「そうなの?」
「まあ、ミサが途中で寝ちゃったし」
「ごめんなさい」
「いいよ、うん、いいんだ」
「よくない。今からセックスしようよ」
「えっ、今から?」
「別にいいじゃん、減るもんじゃないし」
「俺は腹が減ってるの」
「セックスは別腹って言うじゃない」
「言わないよ」
「それじゃあ、あたしのオナニーを見せてあげる。これならどう?」
「ミサのオナニー?」
「うん」
「二十四歳、大手銀行の女子行員の生オナニー?」
「大手は余計だけど」
ふたたび意気投合したところで、シンジとミサのおかしな物語がゆっくりと動き出す。
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