この話はつづきです。はじめから読まれる方は「出会いの街角(一話)」へ
バスルームからベッドへ移動するや否や、ミサはシンジの陰茎を頬張った。
「積極的だね」
シンジの言葉にミサは妖しく微笑んだ。
フェラチオに慣れた感じはないが、そんな初なテクニックがシンジの神経を震わせた。
勃起は確実に限界を超えている。
二人の体位が数字の6と9を描いた時、シンジの口がミサの花びらを捉えた。
「あんっ!」
羽毛のように柔らかいその口当たりに、シンジは興奮の極みをおぼえ、陰唇の内側へ舌を送り込んでれろれろと舐めた。
「だめっ、あはん、変な、感じが……あん」
思わずペニスをこぼすミサ。
シンジの舌技を受けながらのフェラチオは無理だった。
かろうじて舌を伸ばすが、彼の分身には届かない。
クリトリスが気持ちいい。
それだけで頭がいっぱいになった。
「ミサのジュースが溢れてくるよ」
愛液に溺れたようなシンジの声がミサの耳をくすぐる。
どれだけ粘液が出ているのか、ミサにはわからない。
わかっていることは、下半身が別人のように熱く火照っているという現実だけである。
二人は直ってベッドの上でお見合いをする。
「これからミサのことを縛る。痛かったりしたら言って欲しい」
「うん……」
ミサはシンジの言いなりだ。
用意してあったSMグッズの中から、シンジは赤いロープを選択した。
およそ彼の手際はよかった。
彼女の全身を縦横無尽に巡るロープが、乳房と局部を剥き出しにさせて肌に食い込む。
「痛くない?」
「平気」
短い会話の中に信頼関係を認め、シンジは次の段階を踏む。
「ろうそくとかは使わないよ。火傷でもしたら大変だからね」
「それじゃあ何を使うの?」
「まずは……」
そう言ってシンジはいくつものピンクローターを並べて、それをミサの体中に装着させていく。
もちろんロープに結びつけるのである。
乳首のところに二つ、クリトリスのところに一つ、あとは手足やお腹にも配置した。
「それから、これ」
シンジが次に取り出したのは、電動のマッサージ器だった。
茸みたいな形をしている。
「あたしをどうするつもり?」
「そうだなあ、最終的には恋人にするつもり」
「そんなこと言って……」
期待に膨らんだミサの胸に、マッサージ器具が近づいてくる。
ブンブン唸りながらやがて乳房に着地した。
「くすぐったい……」
「そう言っていられるのも今のうちだけだよ」
震える器具のまるいヘッドがミサの肌をたどる。
「うん、癒される感じ」
ミサはまだ余裕の表情で受け身をくずさない。
しかし腹部から脚にかけてのもちもちした皮膚を刺激されると、ミサは途端に表情を曇らせる。
「あっ、すごいかも……」
さらに全身のローターが動き出す。
「ああっ、いいっ……」
乳首とクリトリスとを同時に責められたミサは、その肌に汗を滲ませて快感に浸った。
彼女はM字に開脚させられている。
シンジの携帯電話がミサの全貌を写し、フラッシュを放った。
「永久保存版ってところかな」
「すっぴんを撮らないでよ……あんもう」
「言うことを聞かないと、写真をネットにばらまくぜ……みたいな?」
「できないくせに」
「まあね」
お遊びはこれくらいにして、シンジは別の道具をミサに見せた。
「これって、どうやって使うの?」
ミサには初対面の器具だった。
「クスコっていうんだけど、これはかなりやばい道具なんだ」
「やばい?」
「女の人のあそこの中を診る道具だよ」
「うそ……」
ミサは不安になったが、同時に好奇心も湧いた。
すでに体の準備はできている。
アブノーマルの世界は奥が深い。
ミサの知らないことばかりだった。
つづき「出会いの街角(九話)」へ
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