この話はつづきです。はじめから読まれる方は「出会いの街角(一話)」へ
ミサは玩具の虜になった。
このままアクメまで突き進んでいきたい。
しかし誰かの足音がミサの行為を中断させてしまう。
ミサは膣内にディルドーをおさめたまま立ち上がる。
そこに男性客があらわれた。
「きみ、こんなところで何をしているの?」
男がにやにやとささやいてくる。
「あの、ええと、エッチなビデオが見たくて……」
「へえ、きみみたいな可愛い女の子がねえ」
「いけませんか?」
男が詰め寄ってくる。
「ビデオを見ながら、何をするのかなあ?」
「ただ、見るだけです……」
「オナニーするんじゃないの?」
「違います、違います……」
否定しながらもミサは股間の異物感に意識を奪われていた。
ディルドーが子宮にあたっていて、甘い刺激を容赦なくあたえてくるのだ。
「おじさんが手伝ってあげるから、一緒においでよ」
「大丈夫です。ひとりで帰れます……」
ミサが言うと、男の視線が床に注がれた。
微かに濡れている。
「おや、ここだけ濡れているね。どうしてだろう」
男のねちっこい台詞を聞いて、ミサは顔を真っ赤にした。
ばれたんだと思った。
はやくここから逃げ出さなくてはならない。
ミサが振り返ると、後ろにも別の男性客が待ち構えていた。
ディルドーで遊ぶようなだらしない女だと思われているに違いない。
しかしミサはこのピンチをも味方につけて、上り詰めていく性感に身をまかせる。
今度こそレイプされる、そう思った時、どこからか伸びてきた手に引かれてミサは難を逃れた。
「シンジさん?」
「あぶなかったね」
「ちょっとこわかった」
「ディルドーはどこ?」
「ここ」
そう言ってミサは自分の下腹部を見下ろした。
「入ってるの?」
「いちばん奥まで入ってる」
「落とさないでくれよ?」
「あたしはそんなにゆるゆるじゃないってば」
「ならよかった」
「よくないよ」
ミサは絶頂に達しなかったことをシンジに告げる。
二人は店を出ると車には乗らず、無人のバス停に向かった。
粗末な椅子がある。
シンジはミサに椅子を勧めた。
素直にミサが座る。
椅子の座面にディルドーの吸盤が吸いつき、ぐっと押し上げられたシリコンのかたまりが膣の極点を圧迫する。
「気持ちいい……」
ミサはそのままの格好で腰をグラインドさせた。
「あふん……うふん……ふん……あっあっあっ」
息が弾んで、バス停の周囲に淫靡な空気が漂う。
「こんなに太いのに、あたし、ああっ、来てる……」
内股で女の子座りをするミサの動きがおかしくなる。
通行人の姿もあるというのに、口のまわりに唾液を溜めて、困った表情で太ももをすり合わせる。
「ああイクっ、イクっ、あっ……だめ」
シンジにもミサを止めることはできなかった。
そっと見守るたけだ。
「いく、いく、いく……」
そうしてミサは無事にアクメを迎えた。
いつまでもディルドーに体重をあずけて、余韻の次にやって来る第二の絶頂に期待を募らせる。
「あん、こんなの、はじめて……ふう、あっ」
アクメが終わって十秒も経たないうちにミサは新たな絶頂の声をあげた。
まるで子犬のように震えて、痙攣が行き過ぎるのを待っている。
「大丈夫?」
シンジが声をかけると、ミサは満ち足りた表情を向けてきた。
願いが叶って嬉しいと、彼女の顔に書いてある。
「こんなあたしだけど、最後まで付き合ってくれる?」
「もちろんだとも」
あれこれと寄り道はしたけれど、二人はようやくラブホテルに落ち着いた。
バスルームでお互いの体にボディーソープを塗りたくり、泡にまみれてキスをしたり、性器同士を密着させてウォーミングアップをしたりした。
前戯に時間をかけることで、これからはじまるアブノーマルな情事への不安を取り払ってやるのだ。
愛撫を施していくたびに、ミサはどんどん綺麗になっていく。
潜在的な女性ホルモンがそうさせているのかもしれない。
つづき「出会いの街角(八話)」へ
コメント