この話はつづきです。はじめから読まれる方は「出会いの街角(一話)」へ
「どんなおもちゃが欲しい?」
シンジはミサの手を引いて店内を見て歩いた。
ミサ、女性、独身、銀行員、出会い系サイト上のプロフィールを見た限りでは、彼女の性癖をうかがい知ることはできなかった。
しかし、
「これ知ってる。ピンクローターでしたっけ?」
はにかむミサは瞳をきらきらさせながら、清潔なその手にアダルトグッズをおさめていく。
「こういうのだったら、ラブホテルにも置いてあるよ」
とシンジ。
「えっ、そうなんですか?」
「わざわざこんなところにまで来なくてもよかったのに」
「でも……」
「いやらしいことをしている自分を誰かに見てもらいたかった。だろ?」
「うん……」
彼女はピンクローターを棚に戻して、今度はバイブレーターに手を伸ばす。
その品物を扱う手つきは初心者そのものである。
ミサは何かを想像する顔をしていた。
「オナニーがしたいって顔に書いてあるよ」
シンジは露骨な言葉でもって彼女を煽った。
「べ、別に、そういうのじゃないですから……」
まんざらでもない顔をする彼女のことを、シンジは手で触りにいく。
まずは太ももの表面をかるく撫でてみる。
「んっ」
ミサの反応は正直なものだった。
すべすべした感触がシンジの手のひらに伝わってきて、体温が後から追ってくる。
「もっと本音で話そうよ」
「困ります……」
ミサの声は明らかにシンジの愛撫に応えている。
ヒップライン、ウエスト、骨盤のあたりをまんべんなく触ってやる。
「んはあ、はあ、はあ……」
彼女の口から悩ましい息が抜けていく。
「バイブを入れてみたいんだよね?」
「ううん、はあ、はあ……」
「ミサの中にこいつが入って、ぐちゃぐちゃにかき混ぜて、空っぽになるまで気持ちよくさせてくれるよ」
「あたしの中に、はあ、はあ……」
「そうだよ。ミサのここに入れるのさ」
そう言ってシンジは愛撫の向かう先をショートパンツに変えて、その奥に指を送り込むと、ショーツの生地の感触を味わった。
「あうっ」
短い嬌声とともに彼女が縮こまる。
ミサの下着はすでにぐしょぐしょに濡れていた。
「こんなに濡れてるじゃないか」
下着越しの割れ目がシンジの指を誘うようにひくついている。
「やめて、ください、うう……」
内股の格好で快感に堪える彼女に向かって、シンジはさらなる凌辱を繰り出す。
ぐちゅん、という手応えが過ぎると、シンジの中指がミサの膣に埋まっていた。
「きゃっ」
異物を受け入れた瞬間のミサは、今にも飛び立ちそうな姿勢で目をつむり、直後に力無くシンジに寄りかかる。
とてつもない気持ちの落差にため息まで漏らしている。
「ミサの中は洪水みたいだ。ぬるぬるした蜜が指に絡まってくるよ」
「ああ、いや、こんなところで、あっ、あっ……」
「ほら、ほかのお客さんが見てる前で、もっと乱れてごらん」
岸壁に寄せる波の音のように、ちゃぷちゃぷ、ちゃぷちゃぷ、と愛液の滴りが彼女の穴から聞こえてくる。
「シンジさん、あたし……」
「ミサはどうされたいんだい?」
「言わなきゃ、だめ?」
「自分の口からちゃんと言うんだ」
もどかしそうな表情で彼女は下唇を噛むと、とうとう諦めがついたのか、込み上げてくる願望を素直に告白した。
「入れて、欲しい、です……」
言った後で唾を飲み込む彼女。
しかし、
「だめだよ、もっと羞恥心を捨てなきゃ」
シンジは突き放した。
女性器をさんざんいじくりまわされているミサは、気取っていても意味がないとわかったのか、目を潤ませながらふたたび口を開いた。
「バイブ、入れて、バイブを、あたしに……」
「どこに?」
「あそこに、入れて……」
「あそこって?」
シンジはじめじめとミサの理性をいたぶる。
彼女の膣内はもはやどろどろにただれていた。
そして、
「おまんこ、だめ、おまんこに、バイブを、いやだ、ください……」
自分を見失うまいとすがりながらも、ついにミサは本来の姿へと脱皮を遂げたのである。
つづき「出会いの街角(三話)」へ
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