この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ
果てた後、それまで熱くなっていた僕の下半身は嘘みたいに冷め、加奈さんから離れて暗闇の中でぼうっと立っていた。
「良かったな」
叔父の意味ありげな言葉にも反応せず、彼が又妹を犯し始めたのを虚ろな目で眺めた。
異常で最低の行為だ・・・僕はパンツ姿のまま草むらに座った。
気がふれているのを良い事に女性に、それも血のつながった女性を犯すなんて・・・。
目の前の叔父が変態色魔に映っていた。
しかし、そんな僕も彼と同じだ。
「あん、あん、あん・・・」
加奈さんはまだ絶頂に達していなかったのか、兄に貫かれてよがっている。
ようやく僕はズボンを履き、彼らを後に社殿裏から逃げて行った。
祭りの一夜の所為で僕は加奈という女性を勝叔父と共有した思いに囚われるようになった。
最初こそ嫌悪感を抱いたもののそれはすぐに薄れ、又彼女を抱きたいと望むのだった。
このまま一生正常に戻らず、いわばセックス人形でいて欲しいという身勝手な願望を捨てられなかった。
自分の意志を持たず、自由に行動出来ない美しい女がこんなにも魅力的で男心をくすぐるとは思ってもみなかった。
しかも、体内に同じ血が流れているという理屈抜きの親しみがそれを倍加している!
叔母を犯したあの時の光景が何度も甦り、そのたびに僕は自慰をするのだった。
欲しい!あの人が欲しい!彼女を常に傍に置いておき、やりたい時に抱く!
だがそれが叶わず、勝叔父がしたい放題にしている・・・彼が妬ましかった。
加奈さんに会いたくても、名古屋市内というだけで詳しい居所がわからず、あの夜に聞かなかったのを後悔しつつ悶々と日を送った。
ベッドの布団にもぐって顔を埋めるようにして体を縮めたり、ヘッドフォンで激しい音楽を聴いたり、かと思えばDVDで昔の映画「君の名は」を見ても満たされない。
自慰でさえ、一時的で所詮慰めに過ぎない・・・。
思い切って母さんに聞こうかともしたが、いざとなると言葉が出ない。
叔母が大好きで、犯したという後ろめたさがあり、話している内にそれを感付かれたら大変だ。
母さんは今でも僕を童貞だと思い込んでいるに違いない。
ガールフレンドもいないからそう思われても仕方が無いけれど・・・。
つづき「狂女10」へ
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