この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ
しかし興奮を抑えきれず、左手で上着越しに叔母の乳房を掴んだ。
「んんん・・・」
呻き声が洩れ、僕は闇を通して彼女を見つめた。
首を傾けている笑顔が、喜んでいるのか感じていないのか良くわからない。
それでも、初めての異性の乳房の感触に僕のペニスからは精液が垂れていた。
逸る気持ちでスカートの中に手を入れようとしたら加奈さんは「いやあ」と言って少し逃げた。
「ごめんなさい・・・」
加奈さんはきつい表情で僕をじっと見ていた。
突然、「加奈」と闇から勝叔父さんが現れ、加奈さんは兄に抱き付いた。
「こいつに何をしたんだ?」
叔父は僕を厳しく問い詰めた。
「いえ、あの・・・」
しどろもどろになって答えられない僕を叔父さんは睨んでいた後、「強姦しようとしたのか?」と聞いた。
「いえ違います!」あわてて否定したが、叔父は「強姦だけはするな」と尚も厳しい口調で言い渡した。
「すみません」
僕は思わず土下座をして二人に謝った。
「かわいそうに・・・。怖かっただろう?」
叔父は妹の頭を何度も優しく撫でた。
それから僕に向かい、「わかったならもういい」とようやく許してくれた。
僕は立ち上がり、ズボンの土を掃った。
興奮は冷めていた。
「セックスはご法度だ」
それは、近親相姦はタブーだという常識だけではなく、加奈さんのトラウマへの気遣いによる言葉だと僕は思った。
カラオケ会場の方に戻った。
まだ大勢の人たちが舞台を楽しんでいる。
加奈さんは兄の片腕に抱かれて舞台に向かって立っている。
それを快く思えない僕は、勝という叔父が妹をどう思っているのかはっきり知りたい上に、これまでの二人の関係がどんなものだったのか知りたくもあった。
少なくともセックスはしていないに違いないが・・・。
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