この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ
日が短いせいで、間も無く薄暗くなってきた。
僕は一旦家に帰って腹ごしらえをし、すぐ神社に戻る事にした。
叔父さんたちは境内の露店で焼きフランクフルトなどを買って食べるから構わないそうだが。
両親には加奈叔母さんたちの事をいっさい話さず、カラオケ大会をずっと聞いているから当分帰らないなどと適当に言い、又家を出て神社に向かった。
外はすっかり暗くなっており、加奈さんと祭りの為に僕は浮き立つ程気が高まっていた。
鳥居をくぐり、前もって決めておいた再会場所の土俵近くまで行くと、叔父さんたち二人が、もうすぐ始まるカラオケ大会の演芸場の方に向かって立っている。
僕は「お待たせしました」と言って加奈さんの隣に立った。
「おお来たか」
「うふふ」
加奈さんは夕闇を通して僕だとわかるや明るく笑みを浮かべた。
三人一緒に演芸場の方へ行く。
やがて舞台の幕が開かれ、町内の係りの男性がマイクに向かって開始の挨拶をし、一曲目が始まった。
二人連れの少女たちが元気に踊りながら歌い始める。
その舞台を見ながら加奈さんは楽しそうに体でリズムを取っている。
二曲目は演歌で、着物姿の年配女性が無難にかしこまって歌った。
加奈さんはその舞台が面白くないようで退屈そうにしており、曲の中程で僕の右腕を取って顔を肩に押し当てた。僕は鼓動を感じながらじっとしていた後、恐る恐る加奈さんの背中に手を当てた。
反応が無い。
さらにその手を下へやり、加奈さんのお尻に当てた。
「ふふふ」
笑い声に驚いて僕は慌てて手を引っ込めた。叔父さんは笑い声を変に思って妹を見たが、僕の行為には気付いていない感じだ。
いつしか勃起していた僕は加奈さんの体の感触を心地良く感じながら立っていた。
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