この話はつづきです。はじめから読まれる方は「狂女」へ
僕が二度目に加奈叔母さんに会ったのはそれから一年近く経った初秋の頃だった。
まだ日差しが強く、自宅近くの神社からは油蝉の鳴き声が盛んに聞こえていた。
休日だが暑さの為外出する気も無く、冷房の効いた自室で大衆小説を読んでいる時だった。
突然、「こんにちは」と男の声がした。
ちょうど両親が出掛けていて家には他にいなかったので僕は本を閉じて窓を開けた。
「おお雄一君」加奈さんを連れ、母屋に向かって立っている勝叔父さんが僕の方を振り返って言った。
僕は、日傘を差している白いワンピース姿の加奈さんを見て目を輝かせた。
「お中元を持って来てな。ちょっと遅いけど」叔父さんはそう言って、花柄模様の包装紙に包まれた箱を僕に見せた。
「あ、すいません」
僕は中元を受け取り、とりあえず机の上に置いた。
「どうだい、学校の方は?」
「まあまあです」
「君は勉強が出来るからいいよなあ」
「そんな事ないです」
「彼女はいるのかい?」
「いません」
言って僕は加奈さんを見た。
スリムだが一年前より肉付きが良く、色白の肌は健康的な印象を受けた。
何よりも色っぽさが増している。
彼女は僕の視線に対して愛想笑いを浮かべてくれた。
「どうだい、あれからきれいになっただろう?」
叔父さんは妹を恋人のように自慢げに言った。
「はい、本当に・・・」
僕は加奈さんから目を離せなくなっていた。
胸に熱いものが込み上げていた。
「こいつはどこに出しても恥ずかしくないくらいだ。あとは頭だがな」
「あの・・・」
「何だい?」
「今までの事、色々話してくれませんか?知りたいんです」
僕は鼓動を感じながら思い切って頼んでみた。
「そうか・・・。まあ、いいだろう。中、いいかい?」
「はい」
叔父さんは加奈さんを連れて僕の部屋に入って来た。
「おお涼しい!」
クーラーの前に立ち、ハンカチで額や首の汗を拭いてしばらく涼んでいた後、彼は僕に向かってあぐらをかいた。
加奈叔母さんはなおもクーラーの前で涼んでいたが、「おい加奈」と兄に言われると少し不機嫌な顔をして彼の方へ行き、色っぽく脚を崩して隣に座った。
「どこから話そうかな?」
「あの・・・犯される前から・・・」
「そうか」
叔父さんは口を結んで妹を見た後、「こいつは本当に優秀だったんだ。一流の大学を目指していてな。勿論、ストレートに入れると皆思っていたさ」高校時代の加奈さんが成績優秀だったと今改めて言われると、現在の彼女の痴呆じみた様子がことさら哀れに思われたが、そんな同情の籠った僕の視線に対して加奈さんは優しく愛らしい笑顔で僕を見つめてくれ、たまらなくなって目を逸らした。
「だけど・・・三年の時強姦されてそのショックで気が変になっちまった・・・」叔父さんは悔しそうに唇を噛んだ。
「犯人は捕まったんですか?」
「いいや。俺は必死に捜したんだが・・・」
「警察には?」
叔父さんは黙って首を横に振り、「そんな事をしたら恥になるって、皆反対してな」
『という事は僕の母さんも・・・』
「芳江、君の母さんは特に猛反対だったよ」
「・・・」
僕は一層険しい表情で壁の方を見つめた。
「まあ、同じ女として耐えられんかったんだろうな・・・。しかし悔しいじゃないか。加奈があんな目に遭ったのに、君の母さんはぬくぬくと・・・」
僕はそう言われて母が許せなかった。
時に、何だか勝叔父さんと加奈さんに申し訳無い気がした。
しばらく沈黙が続いた。
その間も油蝉の鳴き声が盛んに聞こえている。
加奈さんは退屈そうに部屋を見回したり、ワンピースのスカートを弄んだりしている。
「母さん、妹の事が恥ずかしくて僕に隠していたんですね?」
「そういう事だ」
「それで叔母さんは・・・?」
「色々治療してもらったんだが治らなくてな。結局、学校を辞めたよ。精神病院にも入った」
僕は思わず叔母を見た。
すると目が合ってしまい、すぐに目を逸らした。
「ふふふふ」
叔母さんの笑い声がいかにも痴呆じみて聞こえた。
「こいつ、一生一人じゃ生きて行かれんだろうな・・・」
叔父さんは加奈さんの頭を撫でた。
その溺愛ぶりが異常に思えていた僕は彼に内心反発したが、表情に出さないようにした。
両親ではなく兄一人がここまで加奈さんの世話をしているのは単なる同情や義務からではなく、心から強い愛情を抱いているからに違いない。
それは、初めて二人に会った一年近く前からわかっていた事だが、今こうして妹への仕草を目にすると、叔父は妹を女として愛しているのかもしれないと思うのだった。
薄い白粉やピンクの口紅という化粧も叔父さんが施したのではないか?
きれいに整っている黒髪も叔父さんが梳いてやったのではないか?
僕はいつしか同じ男として叔父にライバル心を持つようになっていた。
彼だけならすぐ帰ってもらいたかったが、加奈さんもいるのでそうは行かない。
彼女に対してもはや叔母という意識はほとんど無く、一人のはるか年上の魅力的な女性としか思えず、出来れば二人きりになりたかった。
ハーフのような深い顔立ち・・・ワンピースから伸びている滑らかな肌の両腕や、セクシーな両脚・・・そしてふくよかな胸・・。
そんな僕の熱い視線を見逃さなかった勝叔父さんは「雄一君、加奈が好きになったのか?」とにやにやして聞いた。
「え?別に。違います」あわてて否定したが、叔父さんは「ふふ、隠さんでもいい。もう年頃だからな」と言って、困惑している僕をからかうように眺めていた後、右腕で加奈さんを抱き寄せ、彼女の唇にキスをした。
僕は驚いて二人から目が離せなかった。
加奈さんは最初こそ弱々しく抵抗したが、すぐにおとなしくなり、やがて二人は舌を絡め合った。
初めて見る、目の前の濃厚なキス・シーンに僕はいつしか勃起していた。
「あああ・・・」
口を離された加奈さんは目を閉じたまま妖しい声を上げた。
叔父さんは僕を見、「な?」と誇らしそうに言う。
そして、呆然としている僕に見せ付けるように加奈さんのワンピースのボタンを外し始めた。
加奈さんはにこにこして体を預けている。
すぐに加奈さんのワンピースが足元まで一気に下ろされた。
純白のシルク・スリップが目に飛び込み、そのセクシーさに圧倒された。
シルクの艶やかさが加奈さんのスリムな体と相俟ってたまらない。
「ふふ、もっと見たいかな?」
叔父さんは、目を輝かせて身を乗り出して見ている僕に愛人の体を自慢げに披露しようとする。
「はい、もっと・・・」
「ふふ、やっぱり男だな」
彼は加奈さんのスリップも足元に下ろした。
「おお・・・」
純白のブラジャーとパンティ姿に、僕のペニスから精液が垂れ流れた。
「ああ・・・」
思わず下半身に手をやった。
「ははは」
勝叔父さんは明るく笑い、「加奈、脱がせてやりな」と言った。
加奈さんはすぐに僕のズボンを脱がせようとした。
「ああ、いいです。自分で・・・」
「だーめ」
色っぽい目で見る加奈さんに僕はたちまち骨抜きにされ、おとなしくズボンとパンツを脱がされた。
「わあ!」
天を衝く程硬く尖っているペニスを見た加奈さんは歓声を上げた。
「もういい、こっちだ」叔父さんの声。
しかし加奈さんは僕のペニスを握って「大きい大きい」と喜んだ。
「加奈っ!」声高に呼ばれ、叔母は膨れて元の所に戻った。
僕は急いでティッシュ箱を持って来た。
「もうこれくらいでいいだろう。雄一君には刺激が強過ぎたな」子供扱いされたのも当然だった。
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