この話はつづきです。はじめから読まれる方は「裏・アイドル事情 1」へ
早紀達は最初研修生としてグループに
加入することになっていた。
同じオーディションで合格した
同期の子達は全部で10名。
年令も出身もバラバラで、
最年長は18歳の優香という子、
最年少は12歳の小学生の珠子だった。
見学として案内された楽屋には、
TVや雑誌で見た美少女達が
所狭しと溢れていた。
中には下着姿のまま談笑している
女の子もいる。
(わあ、フーミンだ。スタイルいい。
あっ、由紀恵様もいる。
すごい、すごい。キレイ。
これよ、これ。私が求めていたのは。
いつかお相手させていただきたいわ)
研修生達は憧れの先輩達を目の前にして、
キャッキャッ騒ぎ出した。
「ハイ、靜かに。お客さんじゃないんだよ」
手を叩いて研修生達を注意したのは、
会館の館長である溝口由利子だった。
「皆、注目!今度新しく研修生として入った
15期生の子達です」
溝口の紹介と共に研修生達は指示通り、
一斉に挨拶した。
「よろしくお願いします」
するとピッタリと息の合った大人数の
挨拶が返ってきた。
「お願いします!」
あまりにも見事な挨拶に研修生達は
目の前にそびえ立つ巨大な山を感じずには
いられなかった。
これが自分達が入った日本一の美少女が集う
グループなのだ。
この大人数の美少女達の中を
いずれは這い上がっていかなければ
ならないのだと。
早紀も目的は違えど同様に
目指す頂点に向かって、
背筋がピンと伸びる思いだった。
つづき「裏・アイドル事情 3」へ
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