昼間からカーテンを閉め、薄暗い部屋の中で一人パソコンに向かう男の名は山本卓19歳。
やや大柄な体格で運動不足のため若干太り気味。顔も『オタク』を絵に描いたような感じで、近隣の住人からも不気味がられている。
高校卒業後は就職せずに、親からの仕送りで毎日パチンコやゲーム三昧の日々を送る。
そんな卓はあまり外に出ることはなく、もっぱら買い物はネットですます事が多い。
今日も注文していたゲームやアダルトグッズ、アニメのフィギュアなどがダンボール数箱に分かれ届いた。そんな中に奇妙な一冊のノートがまぎれていた。
『なんだこれ?こんなもん頼んだ覚えないぞ?なになに…エスノート?これってあの漫画のグッズか何かか?』
パラパラとめくってみると中身は真っ白なただのノートだった。しかし最後のページに何か書かれている。
『名前を書かれた相手の身体を自由に操り、奴隷にする事ができ、書かれた内容を相手は必ず実行する。』
卓は鼻で笑った。
『ったく。こんなもんじゃオナニーもできねぇよ!』
と、言いつつも試せずにはいられない卓。
ちょうどその時、玄関のドアを叩く音が聞こえた。卓は面倒くさそうにドアを開けると、スーツ姿の一人の女性がいた。
『お忙しい所すいません。○○生命の者です。ただ今、生命保険のご案内をさせていただいております。お時間ありますか?』
女性はグレーのパンツスーツ姿で眼鏡をかけた40代半ばくらい。若干濃いめの化粧。長めの髪を後ろで結び、肉付きの良いムッチリした色白の熟女だった。
卓は女性を見た瞬間、みるみる股間が熱く硬くなった。卓は大の熟女好きで部屋には熟女物のアダルトDVDが山のように積み重なっている。そんな卓の大好物が目の前に立っている。女性は名刺を差し出し、生命保険の商品についてあれこれ説明し始めた。そんな時、卓はエスノートの事を思い出した。
『あ、すいません。ちょっとそこで待っててもらっていいですか??』
女性をドアの外で待たせたまま、卓は名刺をもって部屋に戻った。
『えーと…高橋…良子か。それじゃとりあえず………高橋良子 鼻をほじる…と。』
卓自身、馬鹿らしく思いながらもそっとドアに近づき、のぞき穴から女性を観察した。
そこにはなんと、思いきり鼻をほじる女性の姿があった。
『…偶然…だよなぁ…』
卓はまさかとの思いで試しにもう一度書き込んでみた。
【自分の胸を揉む】
やはりそこには書かれた通りに自分の胸を揉む女性の姿があった。
『なんだこれ!本物じゃねえかよ!すげぇ!……よし。このおばさんで色々試してみるか。』
卓はドアを開け、室内で保険の説明が聞きたいと女性を中へ招き入れた。
中は薄暗く、物が散乱し、異臭を放つ卓の部屋に女性は明らかに不快な表情を浮かべた。卓はその表情を見逃さなかった。
小さなちゃぶ台を挟む形で二人は座った。
卓はあぐらをかき、女性は正座でピシッと背筋を伸ばして座る。すぐに女性は保険内容の説明にかかる。卓は適当に頷きながらテーブルの下にあるエスノートに書き込んだ。
【心に思った事を言う】
すると女性は
『汚いし臭いし最悪。契約なんてどうでもいいから早くかえりたいわ。』
女性はハッと口を押さえた。
『え!あ!いやその…も、申し訳ありません!なにかその…口が勝手に…』
卓は女性の言葉に腹を立てることはなく、冷静に女性を観察しながら
『いやーすいません。一人暮らしだとつい掃除とか面倒で。どうぞ説明続けてください。』
笑いながら応えた。卓はノートを本物と確信し胸が高鳴った。次に卓はこう書いた。
【オナラをする】
数秒後、聞こえるか聞こえないかの微かな音だが『プスッ…』と確かに放屁音が卓には確かに聞き取る事ができた。一瞬女性の説明が止まったが、気付かれてないと思ったのかそのまま説明を続けた。今度は細かく条件を付け加えてみた。
【小さいオナラを二回大きいオナラを一回する】
またも数秒後、『プスッ…プウゥッ……ブッッ』と書かれた通りに放屁し硫黄のような臭いが部屋に充満した。
女性は顔を真っ赤にし、慌てて手で尻を押さえた。
『し!失礼いたしました!申し訳ありません!』
卓は意地悪く聞いた。
『別にかまいませんけどちょっとは我慢できないもんですかねぇ?』
もうしないと誓う女性に更なる追い討ちをかける。
【オナラを10回する】
普通に考えたらそんなに出るはずもないが、エスノートの力がどれほどのものか試してみた。
今回は書き込んでから数秒たっても変化がない。しかし明らかに女性は我慢しているのが見てとれる。硬く拳を握りしめ、額に汗を滲ませ微かに震えている。しかし静まり返る室内にまたも放屁音が響く。
『ブププップスッブッブブッ!』
女性はたまらず
『すいません!今日はちょっと体調が!これで失礼させていただきます!』
テーブルに手を突き立ち上がろうとした女性が『あっ!』と声を上げた次の瞬間…
『ブリ…ブリブリ…』
今までとは明らかに違った鈍い音だった。卓は女性の背後をのぞきこんでみると、女性のズボンは強烈な臭いを放ち、内側から盛り上がっていた。
『ちょっとおばさんなにしてんの!実が出ちゃったの!?』
女性は放心状態で震えている。
『高橋さんだっけ?部屋をウンコで汚さなでくれよ!トイレとシャワー使っていいから!』
女性はすいませんと泣きそうな声でつぶやき、お尻を押さえながらトイレへ向かった。
『俺の部屋を臭いだの汚いだのよく言えたもんだぜ。出てきたらエスノートでたっぷりお仕置きしてやるからな。』
卓は女性がシャワーを浴びてる間にこれからの仕打ちを練りに練った。
不幸にもエスノートの第一の犠牲者となったセールスレディ、高橋良子。彼女にはこの後、更なる地獄がまっている。そして卓自身もエスノートの恐ろしさに気付かされるのであった………
つづき「エスノート その2」へ
コメント