青木靖代は友人の並木一恵に誘われ一件のBARに来ていた
「ねぇ靖代、あんた旦那と別れて何年経ったの」
一恵がウイスキーに酔い呂律の回らない言葉で靖代に訊いてきた、靖代は薄めの焼酎の水割りを口に運び一口飲むとカウンターにグラスを置き
「層ね、3年経ったかしらね」
靖代の言葉に一恵は頷きウイスキーが入ったグラスを口に運び一口飲み
「ねぇエッチしてる?」
一恵の唐突な言葉に靖代は目を丸くし
「えっ…エッチ?、してる訳無いでしょ!誰も相手居ないでしょ」
靖代の裏返った声に一恵は軽く吹いて笑い
「靖代は昔から真面目よね~、でも旦那となんで別れたのよ~」
一恵更に呂律の回らない口調で訊いてきた
「別れた理由、何だろ~元の旦那は優しかったし浮気もしないし、給料もきちんと入れてくれたけどね」
靖代の返答に一恵は酔った目で
「えっ、別れる理由無いじゃん」
「うん、だけどね、何だろ~でも旦那は私の事を愛して繰れなかったのよ」
「愛してくれないって何?」
一恵はウイスキーを一口飲み、靖代も焼酎を口に運び一口飲むと
「旦那ね、私の事はお飾りとしか考えていなかったのね、だから夫婦生活なんてまともに無かったわよ、エッチだってその間、3回位よ」
靖代の言葉に一恵は虚ろな目で驚き
「へぇ~、そんな夫婦って本当にいるんだ~」
一恵はウイスキーを一口飲んだ
「ねぇ一恵あんたは何で別れたのよ」
今度は靖代が尋ねた
「私、わたしはね、旦那の妻では無く一匹の奴隷だったの」
一恵の言葉に靖代は驚きを隠さず只只驚き身体が固まった
「びっくりした?」
一恵の言葉に靖代は頷いた
「そうよね~驚くわよね~、でも本当なのよ、旦那は靖代の元の旦那と同じ位真面目だったかもしれないけど、ドSだったの」
一恵は元の夫のドSぶりを簡単に説明してくれたが、靖代にはとても信じられない事ばかりであった
「とにかく旦那は私を人前で辱めるのが好きだったわね、外出する時は下着は愚か服さえも許さなかったわ、だから私は裸に薄手のコートを着て外を歩くしかなかったの、でも其れだけじゃ無いのよ、アソコにバイブを射れてね歩くの、とっても恥ずかしくては辛かったわ」
一恵の話に靖代は目を丸くしながら食い付いていた
「まだまだ有るわよ、でも言っても切りが無いわね、でも私はその世界に陶酔して入ったのも事実ね、でもこれ以上入り込んだらと思ったら怖く成ったの、それで離婚したわ」
一恵は靖代を見て
「ねぇ靖代あんたMでしょう!」
一恵の突然の言葉に靖代は固まったそして声を上擦らせながら
「ば、馬鹿な事言わないでよ、Mなんかじゃ無いわよ」
靖代の言葉に一恵は微笑み
「ねぇもぅ出ない」
一恵の言葉に靖代は頷き2人は清算を終えるとBARを後にした、2人は深夜の繁華街をふらつく足取りで歩き特に一恵の足下は定まっていなかった
「ねぇ大丈夫?ちょっと飲み過ぎたんじゃないの」
靖代が一恵の肩を抱えた、しかし一恵の息使いは少し違っていた
「ねぇ大丈夫?具合悪いの?」
靖代の問い掛けに一恵は頭を振り顔を歪め
「ねぇ…靖代…ぁぁぁ…わたしのマンション…まで…送って…くれる…」
一恵の言葉に靖代は頷き靖代は通り過ぎようとしたタクシーを捕まえ一恵と2人して乗り込みマンションへと向かった、タクシーの中でも一恵は呻き声を微かに上げていた、そしてタクシーはマンションの前で止まり2人を下ろし靖代は一恵を抱えながらマンションの中に入り一恵の部屋へと向かい一恵から鍵を受け取り部屋の中に入った、一恵は四つん這いに成りながらリビングを這い歩き部屋の扉の前で叫んだ
「…御主人様、一恵、戻りました…ぁぁぁ…」
一恵の声に扉が開いた、部屋から出て来た人物に靖代は驚いた
「こんばんわ靖代さん、久し振りでしたね」
現れたのは一恵の夫であった
つづき「背徳の戒め(2)」へ
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