Incomplete Beginnings - 未完の始まり19_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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Incomplete Beginnings - 未完の始まり19

15-06-14 09:21

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「Incomplete Beginnings - 未完の始まり」へ

第19話『葛藤、そして。。』

  性の表現をオブラートに包む実可子と、どちらかと言えばストレートな表現をする由紀はある意味対照的であるが、『調教』と言う言葉に共通の興味を見出だしたようだった。

「由紀ちゃん、調教って響きドキドキするわよね?」 

  楽しそうな声色で実可子が言った。

「そうなんです。由紀もドキドキです。それに、玲様が命令してくだされば、もっと恥ずかしいことも出来そうな気が。。。きゃっ言っちゃったぁ」

  タイプの異なるふたりの女を同時に調教するなど多少なりともS性を持つ男には夢のような機会であることは間違いない。それでも、玲は冷静さを保っていた。現実的に考えると、主従関係を考えると距離の壁やそれ以上に業務上の利害関係の壁が立ちはだかっていた。

「こらっ、何ふたりで勝手に盛り上がってるんだ?ふたりとも魅力に溢れた女性であることは間違いない事実だよ。だけど、現実的に考えると無理だろ」

「玲様ぁ、物事を複雑に考え過ぎです。由紀は、こうして玲様とご一緒させていただいた時だけ命令いただくことでいいと思ってるんです。実可子さんは?」

「そうねぇ。。。確かに、家庭をお持ちで東京に住んでおられる玲様にご主人様として調教してくださいとは言えないわよね。それに、わたしは誕生日の今夜だけってお願いして押し掛けたのだし。。。」

  確かに、玲はシリアスに捉え過ぎていたのかも知れない。今やテレビでもドSだドMだと言う言葉が日常的に聞かれ、その影響で小学生すらその言葉を発しているのを耳にしたことがあった。

「解ったよ。ふたりとも、こうして一緒にいる時には恥ずかしい命令をさせてもらう。。。その代わりどんな辱しめでも出来ませんは許さないからな」

「きゃあぁ、ドSの玲様が現れたぁ」

「由紀ちゃん、知らないわよ。ドSの玲様の命令がどんなものであってもわたしたち断れないのよ」

「どうしよぉ、ドキドキし過ぎてジュンとなっちゃった」

  意を決した玲は、一瞬その表情が浮かんだ由紀の上司であり、自らのクライアントである大高を頭の片隅に追いやり、生まれたままの姿で佇むふたりの女に命令を下した。

「実可子フェラしてくれ。そして、由紀は実可子にクンニしなさい、オナニーしながら」

  まるでフォーメーションを確認するかのように実可子と由紀はお互いを見つめあった。

「玲様ぁ、実可子さんがお口にする前に由紀が触らせていただいてよろしいでしょうか?」

「いいよ、好きにしたらいい」

「ありがとうございます、玲ご主人様」

  由紀の口調は、さっきまでの甘えた口調ではなく、どちらかと言えば会議中の発言を思わせるものだった。

  玲の前に跪くと指先をゆっくりと玲の分身に近づけ、分身の形状を確めるかのようにチノパンをなぞった。

「ああぁん、玲ご主人様ぁ、固くて熱いですぅ」

「それだけでいいのか?」

  玲の問い掛けに首を横に振ると、由紀はファスナーをゆっくりと下ろしたが、その指先の動きはぎこちなかった。

「由紀、それだけじゃ出てこないだろ?ベルトを外せばいい」

  無言で頷くと、由紀はベルトを緩めチノパンを少し押し下げるとペイズリー柄の紺色の下着は、一部が濡れて漆黒の世界を造っていた。

「玲様の下着濡れて染みになってます」

  まるで業務報告をするかのようなトーンで言うと、由紀は舌先を少し突き出し、漆黒の世界に押し当てた。

  何度かの回転運動を終えた舌先は、漆黒の世界との間に一筋の糸を残しながら由紀の口の中に吸い込まれた。

「玲ご主人様、そのままお待ちくださいませ」

  玲の前で立ち上がると、由紀は自らのトートバッグから花柄のハンカチを取り出した。そのまま、玲の前に跪くとペイズリー柄の下着を下ろし玲の分身を完全に露出させた。

「ああぁん、玲様ぁ。。。由紀を見てこんなに。。。。」

  激しく反り返った玲の分身を目の当たりにすると、由紀はビジネスライクな口調を保つことが出来なかった。慈しむかのように玲の分身に頬擦りすると、トートバッグから取り出したハンカチで先端から溢れる粘着性のある液体を拭った。

「何やっているんだ?」

  玲の質問に、由紀が嬉しそうに答えた。

「玲ご主人様の匂いを残して、オナニーに使うためです」

「まるで犬のマーキングみたいだ」

「まあ、由紀ちゃんたら。。。本当に変態さんね」

  由紀の行動を呆気に取られた表情で見ていた実可子が思わず口走った。

「だってぇ、玲様の匂いを思い出しながらオナニーしたら気持ち良さそうじゃないですかぁ」

「だったら、玲様の精子をいただいたら?」

「でもぉ。。。精子の匂いってあまり好きじゃないんですよね。春先の公園の匂いみたいで」

「春先の公園?確かにな。。。銀杏の匂いだっけ?」

  由紀の例えが可笑しく、玲が笑いながら言うと、実可子がつられて笑ってしまった。

「由紀ちゃん、面白い子ね」

「そうですかぁ?」

「まったく、勃起させたチンポコを出したまま何の話してんだ、おれたち」

  笑いながら言う玲に、由紀が真剣な表情を見せがら尋ねた。

「玲様ぁ、恥ずかしいんですけど、変なお願いしても由紀のこと嫌いにならないでくださいますか?」

「今度は、何?もう何でも願いを聞いてやるから言ってごらん」

「はい、絶対に軽蔑しませんかぁ?」

「大丈夫だよ、もう由紀が変態だったの解ってしまったんだから」

  玲の優しく諭すような口調に安心したのか由紀が答えた。玲にとって、その答は意外でもあり、納得出来るものでもあった。由紀が鑑賞すると言った女性向けAVの内容や実可子が吹いてしまった潮への対応を思えば、必然だったのかも知れない。

つづき「Incomplete Beginnings - 未完の始まり20」へ


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