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第17話『Made to love - 神の存在』
自らが質問したものの想像を遥かに超えた玲の考えを聞かされた由紀は、恥ずかしさから頬を赤く染める以上に全身を桜色に染めてしまった。
「玲様ぁ、どうしよう。。。由紀ドキドキが止まらなくなってしまいました」
「また、お漏らししてしまいそうか?身体に指一本触れられることなくお漏らししてしまうなんて、思いもしなかったか?」
由紀は自らに注がれる実可子と玲の視線の動きが、そのまま指先の動きであるかのように感じていた。
「由紀ちゃん、表情が可愛いわ。恥ずかしさと嬉しさが混じり合ったみたいな表情」
「ああぁん、実可子さん。わたし、玲様に言われたこと想像するだけで。。。」
「由紀ちゃん、恥ずかしい姿、見られたくなっちゃった?」
両手を胸の前で組みながら、太股の内側を擦り合わせるかのように由紀は両脚をもじもじと動かし始めた。
「玲様に見ていただく?由紀ちゃんの恥ずかしい姿」
実可子が大人の女らしく慈しむようなトーンで由紀を諭しているようだと玲は感じていた。
「由紀、実可子みたいに拘束されてみるか?それとも自分でするところを見られたいか?」
由紀は葛藤していた。さっきの実可子の拘束された美しい姿を目の当たりにし、自身も拘束されてみたい気持ちもあったが、生まれたままの姿に目隠しをされて、廊下に連れ出されたことを思い返していた。
『さっきのアメリカ人が少しだけ早くエレベーターから降りて来ていたらどうだってしまったのだろう。人の気配を感じただけで、声が聞こえただけで、お漏らししそうな感覚を感じていた。もし驚きの言葉が耳に届いたら、その瞬間に本当にお漏らししてしまったかも知れない。そんな恥ずかしい姿を見られてしまったら。。。』
由紀は自身の体温が上昇していると感じていた。全身が火照っているのがわかる位だった。
「玲様に由紀のオナニーを見ていただきたいです」
決意の表れなのか、恥ずかしさを隠すためなのか、甘えた口調ではなく大人びた口調で告げた。
「そう答えると思っていたよ」
「どうしてですか玲様?」
由紀は拘束を望むと予想していた実可子が思わず尋ねた。
「ただの第六感だよ。なんとなくだけど、由紀は見られたい願望が生まれながらに備わってると思ったんだよ。すごく仕事を頑張っていたり、可愛いく振る舞ったり、本人は意識はしてなくても注目されたいという力が働いているんじゃないかってね」
「そうなんですね。でも、玲様よく気付かれましたね」
感心したような実可子の口振りに由紀も神妙な口調で言葉を繋いだ。
「玲様と仕事をさせていただいて、まだ僅かだし、頻繁にお会い出来る訳ではないのに。。。そんなこと言われたの初めてです、驚きました」
「そうだね。でも仕事中の由紀の振る舞いや今日の素振りで、そう感じたんだ」
「嬉しいって言っていいんでしょうか?」
「もちろん。大高さんも、そう感じてるんじゃないかな?仕事の印象がメインだろうけど」
「玲様ぁ、由紀がエッチな変態って大高さんに気付かれてるってことですかぁ?来週顔を合わせるの恥ずかしいですぅ」
「大丈夫だよ、大高さんが見てるのは仕事だから。エッチとは思っているかも知れないけど、変態なのはバレてないよ」
玲は、大高の名前を出したのはまずかったと思った。仕事に影響が出てしまうとしたら大高に申し訳ないからだ。だが、予想に反して由紀はあっけらかんとしていた。
「良かったぁ、変態がバレて無ければ」
「由紀ちゃん、なんかそれ違くない?」
呆気に取られた実可子が思わず発した言葉だった。
「そうですかぁ、でもいいんです。玲様に変態って言われると褒められてるみたいだと思いません?」
「そうね、変態の玲様にとって、変態は褒め言葉よ。そうですよね?」
「そもそも、ノーマルとアブノーマルにボーダーラインなんか無いし、個々人で限度や許容範囲も違うから、変態の定義は難しい」
玲の神妙な言葉がよほど可笑しかったのか、実可子がクスクス笑った。
「なんか変なこと言った?」
「いいえ、玲様はごく当たり前のことをおっしゃいましたよ」
実可子は、そう答えると由紀に向かってウィンクした。
「実可子さん、大人の女性だからウィンクが似合いますね。由紀、ウィンク出来ないんです」
「ウィンクが似合うなんて初めて言われたわ」
「うまく出来ないこともあるけど、由紀がやってもカッコよくないと思います」
「そうね、でも由紀ちゃんがやるとカッコよくて、わたしがやると似合わないこともあるでしょ?」
諭すように言うと、実可子は由紀をアームチェアに座らせ、自らは手前のオットマンに腰掛けた。
「さあ由紀ちゃん、玲様に恥ずかしい姿を見ていただくんでしょ?」
実可子の言葉に黙って頷くと、由紀は玲を眩しそうに見上げながら言った。
「玲様ぁ、由紀のオナニーを見てくださいますか?」
「見せてご覧、変態由紀のオナニー。いつもするように」
「ああぁん、由紀は変態ですかぁ?ああぁん、もう感じてますぅ。玲様の視線だけで。。。あん」
由紀は、手のひらにちょうど収まる位の小振りな乳房を左手で包み込むと、器用に中指を曲げて乳首を弾き、右手は乳首と同じように突起したクリトリスを人差し指と中指で挟み込んだ。
両脚を開くとアームチェアのアームに載せたことで、由紀の下半身はアルファベットのMの文字を
描いた。
「由紀、視線を外さず、おれを見てなさい」
自らの指先が与えるリズミカルな振動により、仰け反り始めた由紀に向かって玲が言った。
「視線を感じることが喜びに繋がるんだろ?」
「ああぁん、玲様の視線がぁ。。。恥ずかしいですぅ。でも嬉しいぃですぅ。。。いいぃ」
喘ぎ声に混じった由紀の言葉は、テレビから流れるバラードによりドラマティックに部屋の中で響いていた。
『I was sent here for you. We were made to love. We were made to love』
さっきまで、イギリスのクラシックロックを特集していたMTVは、いつの間にかアメリカの若手黒人シンガーの曲を流し始めていた。ジョン・レジェンドが美しくエモーショナルに歌い上げるバラード『Made to love』だった。
『Oooh, I was never sure of a God before. But I know he must exist』
『神の存在は確信はなかった。でも今は実在することを知った』
歌詞の内容は、今の玲の気持ちを表しているようだった。そして、実可子も由紀も人間誰しもが愛するために神によって想像されたものだと感じていた。
帰国子女の実可子も歌詞の内容に感銘したのか、玲の耳元で呟いた。
「玲様、この曲素敵ですね。わたしが今日ここに来たのも自分の意思だけじゃなく、神様の力が働いたからなのでしょうか?」
玲は、由紀に散々からかわれた言葉で実可子に反応した。
「実可子、気障だな」
「だってぇ、I was sent here for you って」
「わかってるよ。この曲を初めて聴いたときに歌詞を調べたから」
「ご存知の曲なんですね」
「アメリカで新しいクルマのデビューとタイアップしたって新聞記事で読んで、YouTube で見たんだ」
玲と実可子が小声で話していることを自分が放置されていると感じたのか、由紀が拗ねたように言った。
「玲様は、由紀にオナニーを命令したのに見てくださらないんですかぁ?」
「しっかり見てるよ。見て欲しくて仕方ないのか?見られる喜びを感じているってことだな?」
「はい、見て欲しくてたまりません。見られることで、より感じてしまうことに気付かされました。そんな由紀は変態ですかぁ?」
「可愛い変態だ由紀は」
「あぁん、玲様に変態と言われるともっと感じてしまいますぅ」
「変態、由紀は変態と言われながらたっぷりの蜜を溢れさせるんだからな。変態、変態」
「玲様ぁ、ああぁ由紀、お漏らししちゃいます。いいいぃ。ああああぁん、見られながら。。。お漏らし。。。ああああぁん、由紀は。。。いいいぃ、いくぅう、いくぅう」
由紀は器用な指使いで右手の中指と薬指をクレバスに沈め、親指でクレバスの突端で自己主張するかのように突起するクリトリスに回転運動を加えた。
そして、左手が鷲掴みにする少し小振りな右の乳房は、その白い肌に残る赤い爪痕がその白さゆえにより鮮明に浮かび上がっていた。
「ああああぁん、玲様ぁあ、いくぅう、いくぅう、実可子さんも見てぇ。。。。」
由紀の喘ぎ声から頂点を見極めた実可子は、アームェアに敷いたバスタオルで由紀の下半身を覆った。
アルファベットのMを型どった由紀の両脚は、絶頂を迎えるとピンと伸び宙をさ迷っていた。突き上げるように腰を小刻みに震わせた由紀はバスタオルのオムツの中で大量の潮を吹いてしまったのは明らかだった。
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