この話はつづきです。はじめから読まれる方は「愛し乙女は奴隷する(01)」へ
「あっ?ん?な、なんだ!?」
頭の泡をシャワーで流した槙雄がお風呂に入ってきた晶に気付いて驚きの声をあげる。
しかし、そんな事は関係ないと晶はお風呂のプラスチックのドアを閉めて槙雄の後ろに陣を取る。
「背中…流すね?」
「はっ?いやっ、何やってんだよ?出てけよ!?お前、自分が何をやってるか分かって…」
槙雄が叫び始めたので、ピタッと晶は槙雄の大きな背中に頬を寄せた。
暖かい槙雄の体温が頬に優しく伝わってくる。
「ばっ…馬鹿か…っ」
「うん…馬鹿になっちゃった…」
もう、駄目なのだ。
いままで散々我慢してきた。
これからも我慢出来るつもりだった。
それで少しずつ槙雄を諦めさせるつもりだった。
自分の物にするつもりだった。
でも、今日は駄目だ。
もう、我慢が出来ない状態だ。
悪いのは槙雄だ。
他の女の子と一緒に現れた時は、死ぬかと思った。
そして、それがいつかは有り得る可能に気が付いた。
自分がモタモタとしている内に槙雄の良さを理解した頭の良い他の女の子が、自分から槙雄を奪っていく可能性を。
無理だ。
それは、無理だ。
槙雄が自分では無い相手と結ばれる。
それだけは無理だと晶は絶望した。
考えただけで絶望を味わったのだ。
だから、迷いながらも計画を実行しようと思って、さっきの出来事で決心した。
「…いつもみたいに…引かないよ…」
いつもなら、こういう雰囲気になったら槙雄がその場を流して、晶が身を引く。
それが最近の定番となっていた。
だけど、今日はそれは無い。
槙雄が流しても晶には引く気が無いからだ。
「いや、何を言ってんだって話で…とにかく、一旦、外に出て…うっ!?」
「…んっ」
引く気が無いから晶は槙雄の言葉を遮って彼の首筋に唇をあてる。
ちゅうっと少し強めに吸い付いて、同じ場所をペロペロと舐める。小さく小さく丁寧に同じ場所を舌先で舐める。
「うっ、くっ…やめろ、晶…」
ブルッと槙雄が身体を奮ってそう言うが晶は止めない。
それどころか自分の身体を槙雄の背中に押し付けて、唇を後ろの首筋から前の喉元の方へと持っていく事にする。
「…あむっ」
それから少し歯を立てて槙雄に甘く噛み付く。
噛み付いた歯の間からまた舌先を出して槙雄の喉元をチロリチロリと舐める。
それから槙雄の身体を抱き締めて両方の手で槙雄の上半身の至るところを擦っていく。
胸やお腹、おへその穴、そして。
「や、やめろっ!?そこは…」
硬い物が晶の手に触れた。
その感触を確かめながら晶は良かったと安堵する。
つづき「愛し乙女は奴隷する(07)」へ
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