愛し乙女は奴隷する(03)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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愛し乙女は奴隷する(03)

15-06-14 09:24

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「愛し乙女は奴隷する(01)」へ

ぶっちゃけると晶は可愛い、と槙雄は思っている。
元々美形が売りの晶だ。
それが、にこやかな笑みを自分に向けてくる。
グッとくる物がないでもない。

しかも、歳を重ねる度に成長してきたあの胸の大きなこと。
足も細くスラッとした出で立ちで小振りなお尻。
スポーツは出来る方なのである程度は引き締まった肢体。
ただし、少し背が小さく華奢に見える体躯…な筈なのに反則ですなのその胸。
本人は気にしているが、男としてはグッとくる物がないでもない。
いわゆる、健康的美少女な晶が可愛いくない訳がないと、槙雄は思っている。
「御手洗さんの事、好きなの?僕は?槙雄はデブなんだからモテないよ?僕は大丈夫だよ…槙雄は臭くても槙雄だから」
なのに、この発言。
なにこいつ俺を殺しにきてんの?とばかりに晶は槙雄を罵倒する。
だから、槙雄は項垂れて、晶を正直な目で見る事が出来ない。
俺はデブでブサメンだが、お前は男女だ、と心の中で返して心の安定を計っているのだ。
ただ、最近の話だが、何故、晶が自分をその様に罵倒するのかを槙雄は少し解ってきた様な気がしてならない。
その理由とは晶自身が自分に自信を持てないからでないかという事だ。
何故なら、好きになった相手は長い間、自分を同じ性別の仲間だと思って接していた。
そして、相手は同性愛者ではない。
いくら本当は女であるといっても、男として振る舞ってきた記憶を消す事は出来ない。
もしかすると、相手は自分をオカマだと思って接しているかもしれない。
そうやって折り合いを付けて受け入れているかもしれない。
それなら、それは他の女の子と比べたら物凄いハンディキャップである。
なら、どうするか。
「槙雄はモテないけど槙雄には僕が居るから、他の女の子はいらないよ?だから、僕と…ね?」
相手を徹底的に糾弾して君には他の女の子は目もくれないから自分にして置けと刷り込むしかない。
「ん~っ…て、あれ?槙雄?どこ行くのさ?槙雄ぉ?」
とか思ってそうだ、と槙雄は暴走する晶を放って、今度こそ二階の自室へと上がる。
正直な話、晶の自分への想いは嫌ではない、むしろ、嬉しい、だが、どうも気が乗らない。
何故なのか。
歳相応に性欲に任せて受け入れてあげれば、大団円な筈なのに。
なのに、何故か槙雄にはそれが正解ではない様な気がしてならないのだ。
本当に黙って受け入れるのが彼女の幸せになる繋がるのか、と。
「…」
先ほど晶に少し迫られただけで怒張する己のあれを見ながら槙雄は深くため息を吐いた。

つづき「愛し乙女は奴隷する(04)」へ


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