この話はつづきです。はじめから読まれる方は「未亡人・綾子四十歳(1)」へ
愛娘美奈子のエレクトーン発表会を鑑賞する為に文造と綾子は肩を並べイベントホール内に有る少人数用の会場へと歩を進め、綾子は周りの顔見知りの父母等と簡単な会話を交わし席に着こうとしていた
文造は綾子の横顔を見ながら優しい表情を浮かべ、周囲からは仲睦まじい歳の離れた夫婦と見られているが、抗した中でも文造は綾子を辱めるのである
綾子は淡いピンク色の着物に身を包み横に居る文造の横顔を救いを求める眼差しで見つめた
「どうした?」
文造は何食わぬ顔で綾子に問い掛けると綾子は頬を赤らめ瞳を潤ませ俯いた
「感じてるのか?」
文造の言葉に綾子はコクリと頷き唇を小さく開いた
「…辛いですわ…とても辛いです…」
震える綾子の切那気な声と表情に文造は顔を綻ばせた
そして指定された席に文造と綾子は並んで座席に腰を降ろした際に思わず喘ぎ声を挙げ層になる自分の唇を両手で抑え、その姿に文造は嗤い爬虫類の様な視線を綾子に向けた
程なくしてエレクトーン発表会が開演しはじめの頃は何食わぬ顔で子供達の日頃の成果を目を細め見ていた文造が行動を開始したのであった
つづき「未亡人・綾子四十歳(8)」へ
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