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第12話『Taste of Honey - 蜜の味』
眼鏡を外しライティングデスクに置くと、由紀はアイスバケットから小さな氷の塊を摘まみ出し小さな口に放り込んだ。玲がしたことを真似たように、アームチェアに拘束されたまま実可子の正面に屈むと唇を重ね合わせた。
「実可子さんとのキス、感じちゃう」
ふたりの口の中で氷が溶けてしまうまでのキスを終えると由紀が言った。
「女性同士のキスは初めて、でもクセになりそう」
「由紀ちゃん。。。」
脚をアームチェアに拘束され、手首を後ろ手に縛られたままの実可子は、自らの意思で身体を動かせないもどかしさを感じていた。その一方で、身体を自由に動かせないことにより、何からも逃げ出せない自身の立場を心地よく感じ始めていることにも気付いていた。全身の感覚だけでなく、心や脳で感じる感性が高まっているのは間違いなかった。
由紀はさっき玲に教わったばかりの行為、エスキモー&バタフライを実可子に試した。由紀の幼さに実可子はクスッと笑ってしまった。
「由紀ちゃん、本当に無邪気で可愛い天使みたいな子ね」
「そうですか?女の色気が足りないのかしら?」
「そんなものは歳や経験を重ねると自然に。。。それより、今の由紀ちゃんらしさを大切にするべきよ」
「由紀、実可子さん大好きぃ」
無邪気な声で素直に喜びを表すと、由紀は実可子に抱き付き唇を重ね合わせた。
仕事を通じて見ていた小林 由紀の姿はどこにも見当たらない。大高のプロジェクトチームのメンバーの中でも、男女に関係無く由紀が大高の意向を理解していると玲は感じていた。仕事を離れたプライベートでは、明るく天真爛漫で甘えるのが上手く、そして何より自らノーマルとは掛け離れた性の世界に躊躇せず足を踏み入れようとしている、そんな由紀を不思議な感覚で見ていた。
実可子との長く甘いキスを終えると、由紀は自らの乳房を実可子の乳房に押し付けていた。
「玲様ぁ、実可子さんと由紀のこと見て感じてくれてますかぁ?」
「さっきから痛いくらいに固くなってるよ。全身の血が一点に集中してるみたいだ」
「嬉しい。。。。玲様が由紀を見て、そんなになってるなんて」
由紀は一瞬玲に視線を送ると実可子の左の乳首を口に含み、右手で実可子の乳房を鷲掴みした。
「あぁああん、由紀ちゃん、噛んで。。。わたしの。。。乳首を」
首を大きく仰け反らせながら喘ぐ実可子の手首を後ろ手に縛っていたバスローブの腰ひもを玲がほどくと、実可子はまるで堰を切ったような欲望を指先に込めた。
「んんっ。。。」
声にならない喘ぎ声を上げる由紀は、蜜を溢れさせた秘密の花園に伸ばされた自由になった実可子のしなやかな指先の動きを即座に察知した。クレバスの頂点で固く大きくなった、どちらかと言えば小振りなクリトリスがセンサーとなり、由紀の脳はシグナルを歯に送り微妙な強弱をコントロールしていた。
「あああぁん、由紀ちゃん。。。。」
そして由紀の脳は、実可子の喘ぎ声の強弱を正確に検知すると、シグナルアウトプットを由紀の右手に送っていた。
その一方で、乳首に当てられた由紀の歯に込められた圧力や乳房に加わる由紀の右手の圧力をシグナルインプットとして実可子の脳は指先をコントロールしていた。
「由紀ちゃん。。。凄い。。。あぁああん、いいぃ」
「玲様ぁ。。。由紀の。。。トートバッグに。。。ローターが。。。あぁああん、実可子さん。。。いいぃい」
由紀は、噛んでいた実可子の乳首から口を離すと喘ぎ声に混じった言葉を発した。
ライティングデスクの上に置かれた由紀のトートバッグの中からピンク色の卵形のローターを取り出すと、玲はスイッチを入れ由紀に手渡した。
女性向けのアダルトビデオを観ながら使うように自らのために使うのか、それとも実可子のために使うのか玲には解らなかった。
手のひらでブルブルと振動するローターの動きを確めると、由紀は一旦身体を起こすと、実可子が造り出すアルファベットのMの
間にしゃがみこんだ。
右手でローターを下着越しに実可子のクリトリスに押し当てながら、顔を実可子自身に近付け唇を押し当てた。
「由紀ちゃん。。。。あああぁん。。。。駄目、そんなこと。。。」
言葉とは裏腹に、由紀の頭を強く引き寄せながら祈りにも似た喘ぎ声を実可子が発した。
「いいいぃ。。。。由紀ちゃん。。。。いいいぃ、壊れちゃう。。。」
頭を押さえられた由紀は、舌を突き出すと実可子のクレバスに沿うように頭を上下させた。
「実可子さんの蜜。。。おいしい。。。甘い蜜の味。。。」
クレバスに沿って上下運動していた由紀の舌先が引き込まれると、玲の耳には実可子の喘ぎ声に掻き消されそうな音が聞こえ始めた。ジュルジュル、ジュルジュルというその音は由紀から発せられていた。まるで洗濯したまま脱水されていないほどびしょびしょになってしまった下着越しに実可子の蜜の味を楽しんでいる由紀の唇
が発する音だった。
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