この話はつづきです。はじめから読まれる方は「未亡人・綾子四十歳(1)」へ
朝のキッチンに立つ綾子の姿があった、綾子は純白のブラウスに足首まであるフレアーロングスカートを着てエプロン姿で朝食の支度をしていた、昨晩の淫らに溺れた綾子の姿とは別に娘の為の弁当を作っていた、其処に愛娘の美奈子がランドセルを片手に持って現れた
「ママおはよー!」
屈託のない笑顔で美奈子は元気よく母綾子に挨拶をすると直ぐに椅子に座りテーブルに置かれた焼かれたトーストにマーガリンを塗り、紙パックの牛乳を手に持ちグラスに注いだ
「ママ、頂きます!」
美奈子はそう言うとトーストを口の中に運び美味しそうに頬張った、綾子は少し震える手で小さな更に盛り付けたサラダを美奈子の前に差し出し置いた
「ねえ、ママ具合悪いの」
心配そうな表情を浮かべて聞く愛娘に綾子は作り笑顔で首を横に軽く振った
「そんな事ないわよ」
綾子の声は少し震えていた、其処に文造が何食わぬ顔で食卓テーブルに就いた
「美奈子ちゃん、おはよ」
文造は夜の顔とは別人の様な優しい表情で美奈子に言うと、美奈子はサラダを頬張りながら
「叔父さん、おはよー」
美奈子は笑顔で応え、目の前のトーストを取り口に運んだ、文造は背を向け文造の朝食を作る綾子の背中を見て怪しく笑い手の平に握った小さなプラスチックケースのスイッチを押すと綾子の身体がビクンッとさせ恐る恐る文造の方を振り返り切那く首を横に振った、しかし文造は更にスイッチを押すと綾子の顔が歪み両手で口を抑え身体を震わせた
「綾子さん、儂の朝食はまだかのう」
惚けた顔で文造は綾子に言うと、綾子は身体を小刻みに震わせながら文造の前に朝食を置いた
「ありがとう、綾子さんも朝食出来てるんじゃろう、座って皆で食べんか?」
文造の言葉に綾子は頷き従った、いや従うしかなかったのである、綾子は椅子に恐る恐る腰を降ろし臀部が椅子に着いた時、なんとも言えない表情を浮かべ文造に切那い目線を送った、しかし文造はそれを無視して素知らぬ顔で朝食を頬張りながら綾子の切那く辛い表情を楽しんでいた
つづき「未亡人・綾子四十歳(3)」へ
コメント