熟飼育_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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熟飼育

15-06-14 09:28

運命は人に拠って幸運と不幸に別れる、山岡珠恵の場合は幸運の絶頂から不幸のどん底へと突き落とされる運命だったのかも知れない

珠恵は5歳の時に父親の暴力によって家族が崩壊した、母親は一人娘の珠恵を育てる為に様々な職を転々としながら珠恵を大学まで出し珠恵が30歳の時、職場で知り合った男と結婚した
その翌年最愛の母親が心筋梗塞で呆気なくこの世を去った、そして運命が巡るのかの様に珠恵は35歳の時に夫と離婚した
離婚理由は母親と同じ夫の暴力であった、母親と違うのは珠恵は子供がいなかった事位であった、珠恵も生きる為に様々な職場を転々とした
大学は出ても今の不景気では安い賃金でしか働けないコンビニのパート位しかありつけず珠恵は何とかその日を暮らした
そして運命は珠恵は残酷な道標へと向かった
それはある日、珠恵が出勤する時間帯にコンビニの社長が店を視察に来た時であった、珠恵がパート勤めするコンビニは大手コンビニチェーン店と違い個人事業者が独自に展開するコンビニであった、だがこの事業者はコンビニの他にホテル、飲食店などを多角的に運営展開する事業者であった
その社長が突然店に表れ視察し始めたのである、当然抜き打ち的な物である為、店長は慌て不為いていたが珠恵はいつも通りに仕事を淡々とこなしていた、その珠恵の前に社長が立ち止まった、そして珠恵の顔をまじまじと視ると胸のネームプレートで名前を確認した、そして店長を呼びこう告げた

「明日から、山岡君を本社勤務に移すから」

社長の突然の辞令に店長と他のパート達は呆気に採られた、こうして珠恵は突然の辞令に拠って本社勤務へとなり当然正社員雇用と成ったが、珠恵の運命は更に大きく不幸へと向かう事と成った


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