この話はつづきです。はじめから読まれる方は「家出少女 1」へ
星羅の父、吉野忠文は朝食が並べてある食卓についた。
「星羅はまだ降りてこんのか」
朝からムスっとした顔でコーヒーをいれる和代に訊いた。
「ええ、まだ」
笑顔で答えるも疲れた様子で和代は答えた。
「お前にも苦労をかけるな。
あれも根はいい子なんだが、難しい年頃でな。
母親が逝って、まだ受け入れられんようだ。
気が動転してその・・・何だ、女と付き合うなんて。
堅く口を止めてるから世間には知られんだろうが、
お前も時々それとなくあいつのことを見張っておいてくれ。
あいつも昔からお前には懐いていたからな」
忠文は今回の家出でその財力にものを言わせ、
あらゆる手段で星羅の行方を探らせた。
その過程で娘の嗜好、交友関係を知ったのだ。
「・・・はい。でも・・・」
「ん?」
「星羅さんには、星羅さんの生き方があるんでしょうし」
「何を言っとるんだ。
そんなこと言っとるから、あいつが我がままになって道を外すんだ。
こんなことが世の中にばれたら娘は一生結婚できん。
そればかりかワシの顔にも泥がつく。
元秘書ならそれぐらいわかるだろうが」
「すみません・・・」
和代は申し訳なさそうに夫に謝った。
抵抗したとはいえ、自分がその義娘に
幾度も犯されていたという事実は
決して口には出せなかった。
いや、それよりいつしかその抵抗さえも
形ばかりのものになっていたのかもしれないことが、
余計に和代を苦しめていたのだ。
現に星羅が家出をしてから、忠文に抱かれた後、物足りなさから
密かにオナニーにふけっていたことも一度や二度ではなかった。
「じゃあ、行ってくる。今夜は遅くなるから先に寝ていなさい」
「はい。お体にはお気をつけて」
「ああ、あいつのこと頼んだぞ。それとなくでいいから」
和代は良妻らしく会釈して忙しい夫を見送った。
星羅が家に連れ戻されて初日の朝だった。
「パパはもう仕事に行ったの?」
忠文が会社に出かけるのとすれ違いに
星羅が2階から足音も立てず降りてきた。
その声にハッと振り返り、
和代が見たのはショーツ1枚に白いシャツのボタンを全て外した、
ほぼ素っ裸の星羅だった。
「星羅さん?!・・・」
「どうして?」
星羅はぶっきら棒に和代に詰め寄る。
「な、何が?」
「どうして昨日助けてくれなかったの?」
にじり寄る星羅に身の危険を感じた和代は自然と腕を組むようにガードした。
「もちろん家出したままの娘を連れ戻すのは親として当たり前じゃないの」
「どうして?星羅は・・・星羅は和代さんのためにここを出たのに」
急に泣きそうになった顔が和代の顔に近づいた。
「んんっ、んん~」
いつの間にか和代は義娘に抱きしめられ口づけされていた。
形ばかりの抵抗さえ出来ないまま。
体の奥で密かに望んでいた香りが和代の思考を停止させていた。
長い長いキスの後、二人は長い時間見つめ合った。
「どうして・・・どうしてここはこんなにもう濡れているの?」
星羅は泣きながら既に股間を弄っていた。
見つめ合う瞳はこの時複雑な想いを交わし合っていた。
そして和代は初めて自分から星羅の唇を求めた。
つづき「家出少女 21」へ
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