この話はつづきです。はじめから読まれる方は「家出少女 1」へ
さかのぼること2時間程前・・・
「あんっ、ちょっと、星羅。止めてよ」
「春香さんのそういう姿も素敵」
エプロン姿で台所に立つ春香の背後から星羅が抱きつき、
ボリュームのある二つの乳房を鷲掴みにした。
「もう、本当にこの子ったら・・またぁ・・はあ、はあ、はあ」
エプロン姿といっても中身はTシャツとパンティのみであった。
「だってこんな格好見せられたら、また欲情しちゃったんだもん。
しょうがないじゃん」
そう言いながらうなじにキスをする。
「はあ、夜ご飯どうするのよ。
ああ~、料理・・・出来ないじゃない」
「いいよ、適当で。今は春香さんを食べたい」
星羅の右手が春香のパンティの中に侵入していく。
「はあぅっ、ああ~、星羅ったら・・・どうしちゃったの?
今日貴女のせいで会社休んじゃったのよ、私。あっ、あっ、
うう~、こんなことやってたら体がもたないわ~、あんっ、はあんっ」
その指でもう何十回とイカされたにもかかわらず、
魔法のような指でリズミカルにクリトリスを突付かれると、
熟れた体はまた反応し始めるのだった。
美月がいない朝を迎えた二人は、欠けたピースを補うように
会社を休んでまで一日中激しく求め合っていたのだ。
「どうしてかしら?星羅、昨日から止まらないの」
ピンポーン、ピン・・ポーーン
崩れ落ちた春香を後ろから抱えるようにキスをしている時だった。
唇を離し見つめあう二人は一瞬固まった。
「誰・・・かしら?星羅、ちょっと出てみて。
私こんな格好だし」
裸に近い格好の春香が、洋服姿の星羅に応対するように促した。
「はーい」
星羅が小さな穴から覗いた瞬間、ノブを握っっていたその手が止まった。
「誰?」
その様子を不安そうに見ていた春香が小声で訊く。
が、それには答えず、観念したような表情になった星羅が
カチャリと扉をゆっくり開いた。
そこには50くらいの髭を生やした男性と30代くらいの綺麗な女性が立っていた。
男は険しい顔で怒っているように見えた。
女は少し俯きながらも、不安そうな表情をして星羅を見つめていた。
「・・・パパ・・・それに和代さんまで・・・」
男が玄関先に上がる。
「どうして此処がわかったの?」
「どうしてもこうしてもあるか、この馬鹿娘が!!」
パーンという音と共に男の手の平が星羅の頬に思いっきり飛んだ。
「あなた!冷静に」
和代という女性が慌てて男を制止に入った。
星羅はよろめきながらも声一つ立てず俯いていた。
様子を影から見て、状況をようやく把握した春香も
咄嗟に星羅を支えに入った。
「と、兎に角ここは落ち着いてください。
娘さんの言い分もあるかもしれませんし。
ここでは何ですのでどうぞお上がりください」
「いいえ、結構。長居するつもりはありません。
娘はこのまま連れて帰ります。
後日貴女方には弁護士を通じて充分なお礼をさせていただきます。
これの荷物はそれまで預かっておいてください。
さあ、星羅、帰るぞ」
「嫌よ。帰らない」
星羅の手を引こうとした父の手を振り解くようにして
彼女は睨みつけた。
それを見て春香も星羅と父の間に割り込み、彼女を庇った。
「今日のところは彼女も興奮していますしお帰りください。
後日ゆっくりと親子で話し合われたらいかがですか?」
男は立ち塞がった春香の体をジロジロと見つめている。
その時、春香は自分がとんでもない格好をしていることに
ようやく気付いた。
「あっ、いえ、失礼。ちょっとリラックスしていたもので」
恥ずかしそうに物陰に隠れた。
男は罰の悪そうに隠れている春香に近付いて、
誰にも聞かれないような小声で話した。
「こんな環境に娘はとても置いていけないな。
あれは困ったことに、
目を離すとすぐ羽目を外し過ぎる癖がありましてな。
それにあんた達も未成年の家出娘を長い間囲っていると
困ることになるんじゃないですか。
感謝されている内が利口だと思いますけどね」
「どういうことよ!」
男はニヤっと笑うと再び星羅の手を掴み女に命じた。
「和代、板倉を呼んできなさい」
「・・・」
「和代さん、助けて、お願い。パパ、離して!」
和代という女は懇願する彼女の顔を
困ったような目で見つめるも無言で出て行った。
しばらくすると大柄の屈強そうな黒服の男が
和代と共に現れた。
「星羅お嬢様、すみません」
太い声でそう言うと、黒服の男は
星羅を軽々と抱きかかえ部屋を出て行った。
ようやく服を着た春香が出てきた時には、
星羅が連れ去られる間際で追いかけようとするも
父親と和代に阻まれた。
「お礼は後ほど。
もう一人の方にも宜しく言っておいてください。
確か結婚を控えてらっしゃる方だとか。
今が一番大事な時期ですな。
それでは失礼いたします」
穏やかな顔の表情とは裏腹に、
父親の言葉には春香の足を止めるに充分な脅しが入っていた。
だが、真に春香の足を竦ませたのは、
和代という女の自分に向けられた氷のように冷たい目だった。
春香はその冷たい目の奥に嫉に狂う女の目を見た気がしたのだ。
つづき「家出少女 19」へ
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