家出少女 16_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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家出少女 16

15-06-14 09:34

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「家出少女 1」へ

女性だけが住んでいるという神秘的なその島では、
宴が行われているのか、
毎夜のごとく華やかな音や歌声が鳴り響いていた。

そこへ架かる唯一の吊り橋は、
今にも落ちそうな退廃とした佇まいが
逆に魅力的で日常に退屈していた者の好奇心を
くすぐるように誘っていた。
賑やかな宴と危険な香りに導かれるように、
友人が消えたその島に向かうことを決め、
吊り橋に足をかけ始める。
予想以上の突風と下も見れないぐらいの恐怖で
足が竦んだが何とか橋を渡りきり、
満足感でいっぱいになっていた。
だがそれも束の間、吊り橋は島に着いた途端
崩れ落ち跡形もなく消えてしまったのだった。
・・・ただ遠くから眺めているだけでよかったのに・・・

(あんな世界があったなんて・・・)

ごく普通の娘として育てられ、
普通にOLとして就職し、
好きな彼氏と当たり前のように結婚する。
そんなどこにでもある人生に
突如降りかかった身も心も蕩けてしまうような甘美な一夜。
それは嵐のように激しく美月の人生観を振り払ってしまった。
そんな衝撃の体験が仕事中ずっと頭から離れなかった。

「・・・輩、小山先輩!」
「あ、はい?」
「もう、話聞いてなかったんですか?」
「あ、うん、ごめん」
「今日の先輩、ボーっとして何か変ですよ。
珍しく遅刻してくるし」
後輩に指摘され言い返せず顔が赤くなる。

昨夜はあれから3人で気力が尽きるまで
快楽を貪りあった。
「あん、あん、あん」
星羅が美月の陰部を、美月が春香の陰部を、
春香が星羅の陰部をトライアングルの形になって
互いを愛撫しあった。
女に生まれてきて本当に良かったと思えた瞬間。
おそらく神様は女性だけにこの至高の悦びを
与えてくれたのだと感動の涙を流した瞬間。
慎之介とのSEXでは決して到達出来なかった
高みに引き上げられた瞬間。
もちろんそれは1度や2度でなく、
終わりのないエクスタシーとして延々と続いた時には、
狂ってしまうのではないかと恐怖すら感じた。
底なし沼にずぶずぶと引きずり込まれ、
次第に身動きがとれなくなっていくイメージが浮かぶ。
ただそれを教えてくれたのが、
7つ下の星羅だったことが
美月を複雑な思いにさせていた。
この年までこの快楽を知らずに過ごしてきたことが、
何かすごく損をしてしまっていたようにさえ思えてしまう。
(あっ、まだ体中にあの子の指の記憶が残っている)

「だから、肩こりが酷いんです。何かいい方法ないですか?」
「へ?」
大きな声で突然現実に戻された。
「もう、片山先輩はどうですか?何か知りません?」
「美月は彼氏のことで頭がいっぱいなんだよ。
そんなの千佳の胸が大きすぎるからよ」
(胸?・・・大きい・・・)
美月は同僚の言葉に反応して、
千佳という後輩の胸を凝視した。
「彼氏に揉まれすぎなのよ。
肩こりは彼氏に責任とってもらいなさい」
「もう!真面目に答えてくださいよ」
(揉まれる・・・)
確かに千佳の胸は自分が情けなくなるほど
豊満なバストだった。

「ああ、スゴい!」
「千佳、いいの?彼氏より?」
「いい、小山先輩の方がずっといい」
「何て柔らかいオッパイかしら。
私のオッパイと合わせるととっても気持ちいいでしょ?」
「あああ、いいい~、イクううう、
こんなの初めてえええええ」
・・・ジュン・・・

後輩が昨夜の自分同様乱れることを想像して、
股間から愛液が滲み出るのを感じた。
(ああ、いけない。後輩の胸に欲情してしまうなんて。
いったい私どうしちゃったの?)
だが美月は初めて覚えるこの疼きを
治める術を知らなかった。
(ああ、もうどうにかして。
どうにかこの疼きを鎮めたい。
ああ、星羅。早く帰ってまた昨日の夜のように・・・
あの溶け合った濃密な時を)
美月の頭にはもう仕事も慎之介もなく、
ただ一刻も早くあの星羅の蕩けるような愛撫を
待ち望むだけであった。

つづき「家出少女 17」へ


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