家出少女 10_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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家出少女 10

15-06-14 09:34

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「家出少女 1」へ

床に転がるシャワーの音が雑念を消し去ってくれる。
それとも、初めて経験した女性の唇が狂わせるのか。
美月は夢中でキスに没頭していた。

甘く危険な香りのする唇は美月が思っていたより遥かに柔らかく、
小さな可愛らしい紅い舌は驚くほど器用に美月の口の性感を這い回った。
何時しかシャワーで冷たくなった衣服は脱がされ、
彼女同様全裸になっている。
突然、美月の体を再びあの閃光が駆け抜けた。
思わずビクッと震える体を包み隠すように、
とっさに星羅から離れた美月は壁にぶち当たった。

「どうしました?急に」
すっかり可愛いい笑みになって首を傾げる星羅を前に、
美月はたじろいでしまう。
「だって・・・」
美月はまだ女性の柔らかな指に慣れていなかった。
星羅が人差し指と親指で美月の乳首を摘んだだけだった。
あまりにも想像と違う現実に気持ちが追いつかない。
(どうしてこんなに感じちゃうの?すごく恥ずかしいんだけど)
美月のそんな戸惑いをわかっているのか、
星羅が妖しく微笑みながらにじり寄ってくる。
体を密着させ掌で乳首を転がす。
「美月さんて、すごく敏感なんですね。
普段のお堅いイメージからは全然想像出来ない。
もしかしたら今夜はすごく楽しい夜になるかも」
そう囁くと、転がっているシャワーを拾い美月に浴びせた。
一通り美月の体を温めると、自分もシャワーを浴び
さっさと風呂場を出て行ってしまった。
まるで、こんな所で素晴らしい感度の体を味わってしまうのは
勿体無いと言わんばかりに。
唖然と彼女のきびきびとした態度を見ていた美月の心は揺らいでいた。
美月が彼女を受け入れることを決心したのは決別の意味だった。
中途半端な気持ちの自分に踏ん切りをつけるため。
慎之介の妻になることを決めた自分の最後のわがままのつもりだった。
その決意が早くも崩れ去りそうなのが怖かった。

「あっ!」
(そうか、慌てて着るもの用意してなかったんだわ)
風呂場を出た美月は、びしょ濡れになった服以外
自分の着るものが無いことに気付いた。
裸でいることの恥ずかしさからか幾分美月は冷静になっていた。
(私どうかしてたんだわ。あんなこと言うなんて。
無理だわ、やっぱり私には。女の子と寝るなんて。
彼女を傷つけないようにやっぱり断ろう)
仕方なくバスタオルを胸に巻いてリビングへと向かった。

リビングには薄暗い中、ソファで缶ビール片手に
全裸のままの星羅が足を組んで待っていた。
「あのう、星羅ちゃん?やっぱりさっきの話なんだけど・・・」
「うえ、苦~い。こんなものよく飲めるね」
「あっ、こらっ!未成年が何飲んでるの」
美月は星羅から缶ビールを取り上げた。
「あはっ、美月お姉さまらしい。真面目なんですね。
春香お姉さまは逆に美味しいからって勧めてくるんですよ。
そう言えば春香お姉さまは?」
(そうだ、春香を理由に)
「そう、そうなのよ。春香、今は出掛けてるんだけど
もう帰ってくるかもしれないし、
やっぱりさっきのこと・・・無かったってことに・・・」
「・・・」
星羅は美月の顔を鋭い目でじっと見つめたかと思うと、
スッと立ち上がり何食わぬ顔で美月のバスタオルをスッと解いた。
「キャっ!!」
バスタオルが床に落ち、慌てて美月は胸と股間を手で隠す。
星羅がそんな美月の体にピタッと肌を合わせるように寄り添った。

つづき「家出少女 11」へ


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