この話はつづきです。はじめから読まれる方は「過ち」へ
雪絵が隆弘に逢って数日が経ち、雪絵は会社でパソコンに向かい新規契約者の見積を作成していた時であった、傍らに置いていた携帯電話の着信音が鳴り目線を携帯電話に送った、表示されている番号には記憶が無く登録もされていなかったが雪絵は携帯を手に取り通話ボタンを押した、そしてその声に雪絵の心臓の鼓動が早く成った
「久し振りだね母さん」
隆弘の声であった、10年振りに会話する息子の声に雪絵は瞳から涙が零れ落ちそうに成った
「隆弘、ありがとう電話掛けてくれて」
「礼を言うのはこっちの方さ」
「えっ、何故隆弘が礼を言わなきゃ成らないの」
雪絵の言葉に隆弘は高笑いをした
「当たり前だろ、逃げて行った奴隷が現れて呉れたんだ、礼を言わなきゃ申し訳ないぜ」
隆弘の言葉に雪絵は愕然とし身体が震えた
「もう、終わった事よ、いい隆弘あんな事はもう忘れて頂戴」
雪絵は声を震わせながらやっとの思いで言葉にした、しかし隆弘は雪絵の言葉など聞く耳など無かった
「今、メールするからさ、指示したラ所に来いよ、メールアドレスも知ってるからさ心配すんなよ、それと電源切ったり、無視したらあんたと俺の関係画像付で関係各位に送信するからな!」
隆弘はそう言うと一方的に通話を終えた、そして程なくしてメールが送られて来た、メールには隆弘が居るラブホテルの場所と部屋番号が書かれていた、雪絵は指示された通り隆弘の待つラブホテルへと向かい部屋へと行った、部屋では隆弘がバスローブを身に付けウイスキーの水割りを口に運んでいた
「来たかい」
隆弘はソファーに座ったまま雪絵に声を掛けた
「隆弘、さっきも言ったけど、もう忘れて、あなたと私は実の親子なのわかるでしょ」
雪絵は隆弘を説得し始めたが、隆弘は鼻で小さく嗤いグラスをテーブルに置くとソファーからスクッと立ち上がり雪絵の方に歩み寄った
「あんた何時まで俺を騙す気なんだ」
隆弘の言葉に雪絵は身を小さくさせた
「親父が死ぬ前に教えて呉れたぜ、俺があんたと親父の本当の子供じゃないってな」
隆弘の言葉に雪絵は戦慄き凍り付いた
「馬鹿な事言わないで、あなたは私が産んだ子よ!」
「ここぞに及んでまだ俺を騙す気かよ!」
「騙してなんか無いわ!」
「そうかよ、騙してないなら教えてくれよ、何故俺があんたや親父に似てないのかを、其れと戸籍を捏造したのかをよ」
隆弘の言葉に雪絵は返す言葉が見つからなかった
「親父が言った時、内心納得したぜ、俺が何故あんたを犯し調教したのかをよ、俺の本当の父親は連続婦女暴行殺人犯で15年前に処刑された死刑囚で母親はその男にレイプされて俺を産んだ後に自殺した女だってな」
隆弘の話に雪絵は床に崩れ落ちた、隆弘の話は全て本当の事であった、雪絵と夫の間には子供が出来なかったその原因は夫が無卵子病の為であった、それでも夫は諦めず様々な病院を回りその過程で産まれて間もない赤ん坊の話を聞きつけ出生の秘密を聞き夫婦で話あった末に決断した事であった、しかし隆弘が成長して行く過程で本来の性癖が肥大し雪絵を調教し又雪絵も本来の自分の性癖でもある真性マゾヒストが覚醒してしまった不幸が重なったのであった
「知ってしまったのね、本当の事を」
雪絵は床に崩れた身体を震わせ涙が床に落ちた
「ああ、だからあんたは俺の母親じゃあ無い、俺の奴隷さ」
隆弘の言葉に雪絵の心の中の大切な物が崩れ落ちた、最早母子ではなく主と奴隷の関係に墜ちるしか術はないと雪絵は覚悟した
「判りましたご主人様、雪絵を好きなように、いたぶって下さい、」
雪絵の言葉に隆弘は嗤った
「でも、お願い事が1つ有ります、会社やお客様には知れたくないんです」
雪絵の言葉に隆弘は頷き
「判ったぜ、その代わり俺の言う通りにして貰うぜ」
隆弘の言葉に雪絵は頷いた、そして雪絵は隆弘からありとあらゆる責めを受ける事と成ったのである。
つづき「過ち(4)」へ
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