白羽瀬菜月は28歳。清純派女優としていまやすっかり有名である。
芸能界デビューが26歳と随分遅いが、女優の前は国際テレビでニュースキャスターをしていた。
あまりの美貌に大手芸能プロダクションが何度も説得して、女優業に転身。
それからというもの目覚しい活躍をしているのだった。
そんなある日、実家の母から電話が来た。
「菜月ちゃんよく聞いて頂戴。実はお父さん不動産の投資に失敗して10億円もの借金をこしらえたのよ。
変な男達がうろつくし、本当に困ってるの」今にも泣きそうな母の声だった。
父親は、創業100年もの酒造業をしている。恐らく儲け話に目がくらんで不動産の投資話についつい手が出たのだろうか・・。
母は元ミス日本代表になったほどの美貌で今年48歳になる。
19歳の時、ミス日本代表になったがすぐ見合いで結婚した。
そして数日後、恐ろしい知らせが父親から届いた。
「お母さんが10億円の担保として拉致されたよ。
でもお母さんだけじゃ10億円の担保にならないと言われて、お前も担保にしてしまった。
馬鹿なお父さんを許してくれ」泣く父親に、とにかく相手と話をしてからと電話を切った菜月だった。
しかし父親はその日の夜、自殺をしてしまった。
翌日仕事を休んで父親の葬儀を仕切ったが周囲は母親の佳苗がいないことを不審がったが、
遠い病院へ入院中と口実をもうけてなんとかその場を乗り切ったが、葬儀後、黒尽くめの紳士3人が訪れた。
名刺には「黒羽組」の金文字が躍っている。どうやらこの3人は黒羽組の幹部連中らしい・・。
「お悔やみ申し上げますが、実は貴女の身体も担保に入ってるので覚悟宜しいでしょうか?
お母さんは身体で稼いでいますが、年齢も年齢なので後10年も持たないでしょう。
あなたならしっかり稼げそうだ。AV女優として稼いでくれませんかね」
落ち着いた言葉だが凄みがある。
手元には母の写真があった。
そこには、何人もの男のシンボルを咥えて嬉しそうな表情している母の顔があった・・。
でも菜月には強制された笑顔にしか見えなかった。
きっとこういう表情になるようにかなり叩かれたのでは??
暴力には弱い母の姿がそこにはあった・・。
数日後、新宿にあるクラブで調印式が行われた。
白いドレス姿で現れた菜月は、クラブホステス達4名とクラブのママがいる前で誓約書を読まされ、契約書にサインをしたのだった。
ホステス4名とママは契約書の保証人として契約書にサインをしたのだった。
「 誓約書
1・私、白羽瀬菜月は、亡くなった父親の借金10億円の返済の為にこの身体を担保として
提供しましたが、もはやそのうちの5億円が返済不能となりました。
依って今後20年間、黒羽組の奴隷として自らの肉体を捧げます。
2・私の持ってる財産及び衣類・装飾品全て黒羽組に差し上げます。
3・黒羽組の命令はもちろんのこと、保証人になっていただいた5名の皆様方の命令にも
一切口答えしません。
白羽瀬菜月 平成25年11月11日」
クラブのママは目を細めた・・。「じゃあ早速私からの命令聞いてくださるかしら?」
そういうと、菜月の髪の毛をむんずと掴んだ。
「お前の部屋の鍵よこしな・・。これからは私がお前の部屋に住むことにする。
お前は、部屋の中では犬におなり。いいね。部屋の名義は私の名前にするよ。」
つづき「女優白羽瀬菜月の転落 2」へ
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