生保な妻7_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

ホームページ 戻る 

生保な妻7

15-06-14 09:45

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「生保な妻」へ

その夜、子供を寝かしつけて小松さんからきたメールを妻に見せた。
「パパ、本気だったの…?」

妻はメールの内容を凝視していた。
「パパがいいんだったら…いいわよ」
「美穂…」
「パパに…」
妻は何かを言いかけて言葉を伏せた。
私はまだ覚悟が出来ていなかったのかもしれません。美穂の姿を前に、やはり断りを入れようかと揺れていたのでした。
しかし、相手の小松夫妻はきっとその気になっている筈でしょう。これから断るのも失礼な話だと思ったのでした。
小松さんとは何度もメールで密にやり取りをしました。私達夫婦の揺らぎを悟っているかのように扇情する言葉を投げかけてきたり、妻や私を想う言葉を投げかけてきたのでした。

私達夫婦にとって重要な日。が、来てしまいました。朝一で子供を実家に預け、身仕度をしました。他人を抱く為に…そして他人に抱かれる為に…。
妻は膝丈のワンピースにパンプス。私はポロシャツにパンツを履きラフ過ぎず、フォーマル過ぎない格好で出掛けました。小松夫妻と会う場所は車で高速を走らせて1時間程走った中規模都市にあるシティホテルでした。
車の中では緊張のせいか終始無言でした。途中のサービスエリアで飲み物を買うために外に出た時に歩く姿の妻を見て
これから…小松さんという歳上の男に抱かれるのか…どんな気持ちなんだろうか…?等と、自分が今回の事を実行したのを棚に上げて勝手な事を考えていました。

インターチェンジを下りて一般道を走らせている時にふと、助手席に座る妻の膝頭が目に入りました。薄手のベージュのストッキングに包まれた膝頭が眩しく見えたのでした。その膝頭に手を置き撫でると
「パパ…今日、どんな風になってもパパの事愛してるからね」
妻の言葉が胸を締め付け、刺すように感じました。
「大丈夫だよ…相手は紳士だから…」
妻は頷いて再び車内には静寂が訪れたのです。
車をホテルの地下駐車場に停めて車を降りました。歩く妻を抱きしめて
「俺も愛してるから、いっぱい愉しむといいよ…」
私達は再び歩き出してロビーへと向かったのでした。

ロビーのラウンジで待ち合わせと言っていたが、人が予想外に多いので小松さんに電話をしてみた。
「着きましたか?」
「はい、ちょっと人が多くて…」
「こっちですよ」
人の多いラウンジの中で携帯を耳に当てながら立ち上がり私達を見る男がいた。小松さんは私達の存在に気付いていたのだろう。
小松夫妻は立ち上がって挨拶をした。私達も軽く自己紹介をした。小松夫妻は共に事前に見た写真より紳士と淑女という雰囲気の夫婦だった。こんな見るからに素敵な夫婦が⁈
「実は、2部屋用意しようと思ったのですが、この人でしょ…1部屋しか取れなかったんですよ…まあ、言ってもスイートに近い部屋なんで問題無いと思うのですが…」

私と妻も構わないという判断で承諾した。
「じゃあ、こんなに人の多い所じゃ…あれなんで部屋に行きましょうか?」
周囲の人々は気づいていないだろう…これから私達が夫婦交換をする事に…。
動いているのか分からない程静かなエレベーターは4人を上層階へ運んだ。静かな廊下を歩き、小松さんが部屋のロックを開け、中に入った。広い。今までに1度も縁のなかった部屋だった。
応接間のようなセットと隣りの部屋にキングサイズだろうか?大きなベッドが1つ有り、その他にも小さな(と言っても十分広い)部屋が2部屋あった。バスルームもかなり広かった。
「今日は武田さん(私達の姓)家にとっては特別な日ですし、こういう事は非現実的な空間がいいんですよ」
と、笑いながら言った。

四人でワインを飲みながら1時間程会話をしただろうか…小松夫妻がスワップに興味を持ったきっかけや初めてスワップした日の事…。そして、スワッピングの魅力について語ってくれた。
「奥さんは、別々の部屋がいいですか?それとも同じ部屋にしますか?」
「えっ…」
急に話を振られて妻は戸惑っていた。
「じゃあとりあえず別々の部屋にしましょうか…いきなりご主人の前で私に抱かれるのも抵抗あるでしょうから…さあ行きましょうか」
小松さんが立ち上がり妻に手を差し出しました。妻は引かれるようなね立ち上がったのです。
「先に、シャワーを使わせてもらいますよ」
と言って小松さんは妻を連れてバスルームへ消えていった。

ソファに残った私の隣に理恵子さん(小松さんの奥様)が、腰を下ろした。
「あの人…今日が楽しみだったんですよ…美穂さんの写真を見てから…大人気ないんだから…私も楽しみにしてましたけどね」
ニッコリと微笑んだ。そして理恵子さんは私の太股に手を置いた。
「もう少し飲みましょうか?」
私が誘うと
「緊張しているんですね…いいですよ」
理恵子さんと話をしながら飲んでいると暫くして小松さんと妻がバスローブを着てバスルームから出てきた。
「奥さん、やはり素晴らしいですね…じゃあ、私達はこっちの部屋を使わせてもらいますね」

小松さんに手を引かれて別室に入る瞬間、妻と目があった。妻は申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「私達もシャワー使いません?」
理恵子さんが立ち上がって私を誘うようにした。服を脱いでいくと理恵子さんは素晴らしい裸体を披露してくれた。
バスルームに入り、立ったまま理恵子さんから私に唇を求めてきた。胸板に理恵子さんの胸が圧迫されてくる。さっき初めて会ったばかりの人妻と裸でキスをしている…。妻は今頃…。
シャワーを手早く済ませ、私達もバスローブを羽織って別室に移動しようとした。すると、聞き取れるか聞き取れないか分からない位の声が聞こえてきた。
「ああん…あんっ‼︎ああん…」
妻の喘ぐ声だった。
「愉しくしてるみたいね…奥様」
理恵子さんが私の手を引いた。

つづき「生保な妻8」へ


コメント
お名前:
気持ち:

コード:

お知らせ

なし

小説を検索