ほとばしる欲情と迷走する魂 12_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ほとばしる欲情と迷走する魂 12

15-06-14 09:48

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ほとばしる欲情と迷走する魂 1」へ

健次はゼミのソファで横になっていた。
今日1日ずっと昨夜の少女のことが頭から離れなかった。

(あんなに幼いのに・・・。
あの子は普通に手に入る色々なものを与えてもらえない代わりに、
悪い大人達の手によって、
男を悦ばすテクニックを身につけたんだ)
少女の不遇を想うと同時に、自分はその少女のテクニックによって
インポが直り思いっきり射精してしまったことに
自己嫌悪に陥っていた。
とても今、千穂に会う気持ちにはなれなかった。
だから皆が次々と帰っていく中、沈んだ気持ちのまま横になっていたら、
いつの間にかウトウトと寝込んでしまっていた。
目が覚めたのは、夜の9時を回っていた。
健次のいたゼミ室の照明は消されていたが、
扉続きの隣の実験室にはまだ灯りが点いていて、
女性の話し声が聞こえる。
健次は暗い中起き上がって、誰だろうと扉を開けようとするが、
そこでふと手を止めてしまった。
声の主は2人のようで、いずれも女性の声だった。
女の子達の中に突然暗闇の中から現れるのも気が引けたが、
それよりも普段は殺伐と時が流れる実験室に
珍しく楽しそうに弾む声が、つい出来心を起こさせた。
ちょっとだけ扉を開けて中の様子を見てみた。
声の主は朱美と1つ後輩の内田若菜だった。
朱美は健次とは同じゼミなのだ。
(・・・)
健次は息を潜めた。


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