ほとばしる欲情と迷走する魂 8_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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ほとばしる欲情と迷走する魂 8

15-06-14 09:50

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ほとばしる欲情と迷走する魂 1」へ

待ち合わせは路地裏の『千穂』というスナックだった。
健次がちょっとした洒落につもりで選んだ店だった。
そこは2卓のテーブル席とカウンターだけの小さな店だった。

40代の美人のママが一人で切り盛りしていた。
カウンターに座る千穂の携帯が鳴った。
「悪い。バイトが急に俺しかいなくなって今日は行けないかもしれない」
「ええ~、今日は絶対会いたかったのに。健次のバカ!」
千穂は自分が不感症でなかったこともわかり、
どうしても健次に会いたかった。
今度こそこじれた関係を上手く立て直せると信じていたのだ。
だがその期待は裏切られ、悶々とした気持ちだけが残った。
この間朱美に乳首を摘まれた時の指の感触が
まだ残っている気がした。
(あれは何だったんだろう。朱美はああ言ってたけど、
そこまで普通するかしら。
それに私ったらあんな声まで出して。
でも不感症どころか、
オッパイであんなに感じたのは初めてかもしれない。
もし、もしあのまま朱美に続けられてたら・・・)
一人悶々とした想像をしながら、
千穂はパンティの中をしっとりとさせていた。
そこへ一人の男が店に入ってきた。
「ママ、空いとるか?」
「あら、重さん。久しぶり。
暇だからね、うちは年中空いてるよ」
聞き覚えのある声だった。
見たことのある風貌。
それはあの悪夢の一夜の関西弁の刑事だった。
男はすぐさま千穂に気付いた。
「おっ、おっおっ?美人局のネエチャンやないけ」
「・・・」
「なんだ、重さんの知り合いだったの?」
「知り合いも何も、俺のこれだ」
男はママに小指を立ててみせた。
「いやだねえ、こんな若いお嬢さんにまで手を出して」
「何言うてんねん。ワシのストライクゾーンはママ以外やで。ワハハハ」
男は当たり前のように千穂の隣に座ると肩に手を回してきた。
千穂は生きた心地がしなかった。
終始、男の手が腰や足を撫で回してくる。
この後の男の要求も容易に想像出来る。
だが何より自分の意志に反して、
パンティが気持ち悪くなるほどアソコを濡らしている事実が
千穂を激しく動揺させていた。
「千穂ちゃん、この後予定あんのか?
無いんやったら、ほら」
男はカウンターの下で千穂の手をそっと握り、
ズボンの上からでもすでに大きくなっているのがわかる
自慢のイチモツに押し当てた。
「憶えとるやろ。イボイボ、ほらここや。またこれで殺したるで」
男は千穂の指をイボに誘導して確かめさせながら、
そっと耳打ちした。
千穂は確かに今、ジュンとアソコが濡れて股間が疼くのがわかった。
そのまま、暫らく男の股間から手を引込めることが出来なかった。

だがこの夜、千穂がこの重さんと呼ばれる刑事に抱かれることはなかった。

つづき「ほとばしる欲情と迷走する魂 9」へ


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