この話はつづきです。はじめから読まれる方は「ほとばしる欲情と迷走する魂 1」へ
健次はキャンパス内のベンチに座り、昼時間を何となく過ごしていた。
「どうした?こんなとこでボーっとして」
健次の肩を華奢な拳が小突いた。
有薗朱美だった。
朱美は持っていたビニール袋からカツサンドを取り出し
健次に差し出した。
「食べる?」
「ああ、サンキュ」
それを受け取るとパクリと食いついた。
「聞いたわよ。あんた達、最近会ってないんだって?」
「ん、ああ」
健次はカツサンドを食べながら気のない返事をした。
「ケンカでもしたの?」
「・・・なあ、女って男のどこに魅力を感じるんだ?」
「いきなり難しいこと言うわね。ん~、人それぞれなんじゃないの」
「そうか・・・カツサンドありがとうな」
そう言って健次はその場を立ち去ろうとした。
「待ちなって。話は終わってないよ。千穂からの伝言だよ」
朱美は健次の手を取って一枚の紙を渡した。
「何悩んでいるのか知らないけどさ、あんたがしっかりしないと。
千穂が可哀想だよ。じゃなきゃ私だって・・・」
「えっ?」
健次は朱美の言葉に不思議そうな顔をした。
「と、とにかく伝言は渡したから。後は知らないよ。
こんなことにつきあわせないでよね」
朱美はそれだけ言うと逃げ去るように走っていった。
『健ちゃん、ごめんね。
でもどうしてもこのまま終わりたくなくて、
こんな手紙を書いちゃいました。
私は今でも健ちゃんのことが一番大好きです。
これだけはわかってほしくて。
あの夜のことは正直自分でもうまく説明が出来ません。
訳が分からなくなって、何も考えられなくなって
きっと普通の状態じゃなかったんだと思う。
だからと言ってあんな姿を見られて、
言い訳をするつもりもありません。
自分の欲深さに誰よりも一番驚いたし、おののいたし、恥じました。
でもだからこそ自分の気持ちだけは負けたくなかった。
あの後、本当はすぐに健ちゃんに抱きしめてもらいたかった。
いっぱい愛してもらいたかった。
あんなことに負けない本当の気持ちを知ってもらいたかった。
でもその時は残念ながら叶いませんでした。
私の気持ちは今も変わっていません。
むしろ時間が経てば経つほど、その想いは強まっていきます。
会いたい。会って抱きしめてもらいたい。
今夜7時に駅前のいつもの店で待ってます。
千穂』
健次と千穂が会うのは2週間ぶりになっていた。
二人は駅前のファミレスで食事をし、その後ホテルに向かった。
二人はシャワーをした後ベッドに雪崩れ込んだ。
「千穂、千穂」
「健ちゃん」
だが途切れかけた愛を確認するために
漸くベッドまでこぎつけた二人だったが、
2週間前の悪夢は若すぎる男女に深く暗い闇を植え付けていた。
「・・・・」
(何も感じない・・・どうして?)
ほとんど濡れない千穂のオマンコを唾液でベトベトにしながら、
もう長い時間クンニしている健次も焦っていた。
「んふ~、んふ~」
(どうした・・・息子がピクリともしない。
何だか千穂のオマンコもほとんど濡れてないようだし)
健次は舌を懸命に動かした。
「ああ~、ああ~」
決して上手くない演技っぽい喘ぎ声を上げる千穂の顔を
見つめると起き上がった。
「今日はなんか疲れてるみたいだ。千穂、咥えてくれるか」
「う、うん」
千穂は縮んだままの彼のチンポを口に咥えた。
だがいくら一生懸命千穂がフェラチオしようとも、
その日健次の息子が大きくなることはなかった。
「・・・ごめん・・・」
「ううん・・・」
千穂もそれ以上何も言えなかった。
つづき「ほとばしる欲情と迷走する魂 7」へ
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