私は花村咲。本当は28歳なのだけれども、生徒には18歳と言っている。(年齢さばよみ)
私は中学校で英語を教えている。昔からだけれども、私は真面目で恋愛だなんてしたことがない。今もそうで、生徒たちに指導したり授業したりと大忙し。
でも、まさかそんな私が遅い初恋をするだなんて想像していなかった。
それはある日の放課後。私が担任をつとめる1年5組の男子は本当に度を超えたやんちゃ。今日は女子数人を泣かせた挙げ句に大切なプリントを奪ったと評議委員の平川さんに聞いた。
その説教の為、男子達を呼び出した。
「まったく!何てことをするの!?女の子は泣かせてはいけないのよ!?いい?今回はこのプリントを全問正解したら帰っていいことにするけれども、次はどうなるかしらねえ?」
「・・・うっせえなあ」
特にやんちゃな男子5人の中心である平川雄。彼は双子の姉・平川綾(評議委員)と全然違い、頭は悪いし、口も悪いし、性格も悪い。ダメダメ男子の象徴とも言える。
「先生、こんな英語だらけの解けるはずが」
「文句言わないの!」
「・・・」
山川くんに見つめられる。なぜかどきっとしてしまった。
「・・・先生、終わりましたよ」
「あら、早いじゃないの!・・・うん、いいわね。全問正解よ」
「ありがとうございます」
彼が女子を泣かせたなど有り得ない。あんなにいいこなのに。
「先生!終わった!」
「白紙じゃないの!!」
このあと、全問正解までに5時間は要した。
「あら、山川くんまだいたの?」
「ええ・・・」
「・・・ねえ、本当にあなたもしたの?」
「しましたよ?それが何か?」
「性格がいいのに、どうして?」
「・・・先生」
「んっ・・・?」
いきなり山川くんがキスをしてきた。
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