隣人(1・見えない不安)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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隣人(1・見えない不安)

15-06-14 10:15

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「隣人(あらすじ)」へ

早川早苗は充実していた自分が手掛けた企画が事ごとくヒットし会社での発言力、政治力が徐々にでは有るが強く成り上層部ですら時折早苗の進言で人事が異動する事もあった、同性からも慕われ特に女性の後輩達からは羨望の眼差しで見られ早川早苗自身、女性らしさと面倒見の良さを兼ね備えた性格であった

「早川企販部長」早苗は社内でそう呼ばれていた、早苗に声を掛けたのは5歳年下の女性営業マンであった、女性営業マンは息を弾ませ駆け寄って来た

「早川企販部長、あ、ありがとうございます!、わたし初めて営業成績男女トップに成りました!」女性営業マンは目を潤ませ今にも号泣せんばかりの姿であった

「わたし、わたし…早川企販部長のアドバイスがなかったら、きっと、きっと…」女性営業マンは涙で先が言えなかった、早苗は優しく肩を抱き締めハンカチで彼女の涙を拭い優しく声掛けた

「貴女の努力よ、わたしはアドバイスしただけ、でもね次は貴女が追われる番よ気を引き締めて此からも頑張ったね!」早苗の言葉に女性営業マンは更に声を挙げて泣き出してしまった、早苗は少し困った顔で其れでも優しい表情で彼女を見つめた、年に何回かこんな光景が目撃されていた、社内でもそれが風物詩となっていた、早苗はそんな日常に時折不安に駆られる時があった、自分を取り巻く環境が整えば整う程その不安は日増しに増していった、早苗は気分転換に今住んでいる街を離れ少し郊外の新興地区に引っ越す事にした、しかしそれが早苗の不安を的中させ後戻り出来無い地獄へと堕ちるとは夢にも思っていなかった。

つづき「隣人(1・見えない不安2)」へ


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