籠絡 ろうらく9_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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籠絡 ろうらく9

15-06-14 10:16

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「籠絡 ろうらく…」へ

Oが帰った後、かおりは指定されたURLに自らアクセスした。
興味本位のいやらしいコメントに返事を書く気にはならなかったが、Oに背いたら余計に面倒なことになりそうな気がしたからだ。
コメントの書き出しはOから指示されている。

「ガイ様に隷従するKです」と決められた通りにコメントを返していった。
絵空事だから、Kを演じれば良いのだと自分に言い聞かせて、短い言葉を綴っていく。
「どこ住みですか?」とか根掘り葉掘り執拗に聞いてくる相手には、「ご想像にお任せします」と適当にあしらった。
中にはOの自作自演だと揶揄するものもいたが、かおりにはどうでもいいことで、それも「ご想像に…」と書いた。
「?!」
もう終わりというところで、ガイというHNの書き込みがあった。
「上記はK本人の書き込みです。私が返信するように命じています。詳しい人ならお分かりでしょう。プライバシーに関することは決して本人が明かすことはないと思います。身元がしっかりしている女ですから、ご容赦ください」
始めはかおりを擁護するような書き方だったが、後半部分を読んで愕然とした。
「いくつかKの無愛想な書き込みがあるようで、失礼しました。お詫びとKへのお仕置きのために音声ファイルを投下しておきます」
音符の形をした部分をクリックすると、自動的に音声が流れ始めた。
「ああ、、いい、、、いいわ、、、突いてください、、もっと、、気持ちいい~~~~」ギシギシと何かが軋むような音に交じって、かおりの声がする。
「あっ いく、いく、、いっちゃう、、いっちゃう、、変になるぅ、、ああ、、もう、、いぐ~」
音を消したかったが、音声ソフトの操作が分からず、最後まで聞いてしまった。
ショックのあまり、もうそれ以上そのHPを見ていることもできずパソコンをシャットダウンした。

かおりはベッドに潜り込み、悪夢のような世界から逃避しようとした。わなわなと体が震える。
と同時に、異様な興奮が脳裏の片隅でくすぶっていた。かおりのあの時の声を幾千もの男達が聴いて、いやらしい妄想をかきたてて自慰行為をしている。
かおりはそう思った。
「あん」
かおりが思わず声を洩らした。自分の柔らかな乳房に触れ、敏感になった乳首に触れることで気分が少し落ち着いた。
そのまま下半身に手を伸ばして、男達がするようにかおりも自らを慰める。
あまりにも理不尽なOの仕打ちだが、こうでもしなければリセットできない…。

ふっくらとした指先でクリトリスに触れると、脳天にまで電流が走り、意識が甘くしびれていった。

数日後、Oからメールで呼び出しがかかった。

つづき「籠絡 ろうらく 10」へ


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