この話はつづきです。はじめから読まれる方は「倒錯愛」へ
タクシーに乗り込み紗江を迎えに行き、マンションの前で拾う。
紗江はお店に出る時のような少し派手めなメイクを施しそのメイクに合わせたのか、目立つ感じのタイトスカートのスーツに身を包んでいた。
タクシーのシートに腰を下ろした紗江のタイトスカートから伸びるパンストに包まれた美脚を撫でた。
「奥さんになんて言ってきたの?」
「泊まりがけの出張だよ」
と、素っ気なく答えると紗江は悪戯っぽく微笑んだ。
程なくしてタクシーは待ち合わせのホテルの車寄せに滑り込んだ。ドアボーイがトランクのキャリーケースを取り、私に渡してくれたがその時、紗江を何度か目で追っていたのを見逃さなかった。
歩く姿すら美しく見える紗江を連れて土曜日の昼間とは思えない位、人で溢れたロビーを歩くとすれ違う男性達の視線を浴びる程感じた。
チェックインを手早に済ませ山下にメールをすると、直ぐに電話がかかってきた。
初めて会った山下という男性は小綺麗なスーツに身を包んだ、少し線の細い男性でこういう場に自ら手を挙げるようには見えなかった。
年下の紗江の方が異様な色気を放ち、むしろ歳上に見える位だった。
ロビーでの目立つ挨拶をそこそこに済ませ3人でエレベーターに乗り込み部屋へ入った。
それから1時間位、乾杯をしてから雑談をして緊張をしている3人の雰囲気を和ませる為に雑談を交わした。
「じゃあ、山下さんシャワーを浴びてきてくれますか?」
私が山下にシャワーを使う事を促すと少し緊張の解れていた表情が一気に再び強張った。ソファーから立ち上がりバスルームへと消え、シャワーを使う音が聞こえてきた。
「紗江・・いいのか?」
「言ってた通り、余り経験は無いみたいだけどとてもいい人だと思うの・・彼にだったら・・」
私が1番緊張していたかもしれない。妙に喉が乾き声が上ずりそうになった。そして、山下は腰にタオルを巻いて部屋に戻ってきた。
「じゃあ、次は私が使わせてもらうかな」
バスルームへ入り体を流しながら私のいないところで2人は何を会話しているのか想像を巡らせた。
これから紗江があの男性に抱かれ・・と、考えているとやり場の無い嫉妬と興奮を覚えた。手早くシャワーを済ませ下着を着けてバスタオルを腰に巻いて部屋へ戻った。2人は少し距離を置いてソファーに座り談笑をしていた。
「紗江が出てきたら始めようか?」
紗江が立ち上がり部屋から消えた。
「山下さん、もう1回確認しておきますけど・・」
プレイの確認を山下と打ち合わせをして、私はキャリーケースの中からハンディカムとデジカメを取り出し用意した。
「私もこういうのは初めてなんで・・お互い楽しくしましょうよ」
「あんなに綺麗な方と・・と、思うと緊張して・・使い物になるか不安です」
山下は緊張した半笑いを浮かべて言った。
そして紗江が部屋に戻ってきた。
紗江は胸元までバスタオルを巻いて現れた。
「どうする?」
紗江から聞いてきた。紗江と山下を窓に近いベッドへ促した。
「恥ずかしいかもしれないけど2人の流れで始めていいから」
私は最初からデジカメでの撮影はせずに三脚に設置したハンディカムだけにしておき、ソファーに腰掛け2人の様子を観賞する事にした。
2人はベッドの上で会話をしながら抱き合い始め、お互いの感触を確かめるように肌を撫で回した。紗江はバスタオルを自ら取り去ると淡いピンク色のスリップ姿になった。遠慮がちに紗江の身体を撫でる山下の手を取り、紗江は胸元へ持っていき、山下に口づけを求めるように首を伸ばした。
紗江がいよいよ他人の男性のものになってしまう。
唇と唇を触れ合わせると紗江は山下の首に腕を回し身体を預け舌を絡ませ合う、より濃厚なキスをした。山下はスリップ越しの紗江の乳房を触りながら背中を抱いた。部屋の中に唾液の交換をする音が卑猥に響いた。
キスをしながら紗江は山下の体を撫で回す。
「なんだか恥ずかしい・・」
キスを止めて言った。山下も照れ笑いでそれに答えた。紗江は山下の体を撫で回しながら首筋や胸板に舌を這わせていく。時々チュプチュプと聞こえるのは吸っていたのだろう。そして紗江の手は既にテントを張った山下のボクサーパンツの上へと達した。形や大きさを確かめるようにして布の上から肉棒を愛撫した。
つづき「倒錯愛 6」へ
コメント