この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ
「どうしてママがいるのよ!」
真由は扶美以上に目を吊り上げ、自分の母親を睨んだ。
「どうしてって、真由ちゃんの授業参観の日じゃない。
だからママ学校に来たのよ」
込み上げてくる怒りとは対照的に、おっとりとした態度の母親に
真由はぐっと堪えるように体を震わせている。
ちらっと久美子の方に視線を移す。
目が合った二人はお互い予想外の対面に困惑した。
結局真由はその場から逃げ出すように、
無言のまま自分のクラスの方へ走り去ってしまった。
「あっ、ちょっと真由ちゃん!ママ何処に行ったらいいの?」
もう追い付けないほど遠くに行ってしまった娘に困惑した表情をしながら、
その女性は久美子に軽く会釈をした。
久美子は複雑な思いだった。
いつも娘の扶美がお世話になっているという感謝の気持ちと、
自分がお嬢さんの真由と肉体関係になっていることへの
後ろめたさが入り混じる。
「じゃあ、やっぱり私が案内してあげる。
でもよかったあ。うちだけじゃなくて」
さっきまでの無粋な顔は何処へやら、扶美は明るく真由の母親に話しかけた。
久美子も二人の少し後ろを付いて教室に向かった。
扶美達の教室には久美子の他にも4~5人の親達が
すでに教室の後ろで横に並んでいた。
「あら、思ったよりも来られてるんですね」
真由の母は意外というような顔で久美子に話しかけた。
「そうですね。やっぱり高校生になったとはいえ、まだ子供ですから」
久美子は何気なしにそう答えたが、言った後、その子供相手に
夢中になってしまっている自分が急に恥ずかしくなった。
「本当にそうですね。実は先程、当たり前のような顔で娘には
言ったんですけど、本当は私も来るつもりはなかったんですよ。
でも・・・最近どうも娘の様子が気になって・・・」
「えっ?」
真由の母は神妙な顔付きになり、小声で話し出した。
心当たりがある久美子はその先の話を聞くのが恐かった。
「いえ、特に何があったというわけではないんです。
うちは今迄放任主義といいますか、お恥ずかしい話、
見ての通りの我儘な娘に育ってしまいまして。
このところ休みの日になると決まってフラッと
出掛けては、夜まで帰ってこないんですよ。
どこで何してるのって聞いても答えるどころか
晩御飯もろくに食べないままベッドに横になって
ぐったりそのまま寝ちゃうんです。
悪い友達と遊んでなければいいんですけど・・・
だから普段学校でどんな風に過ごしてるのかなって、
ちょっと見たくなったんです」
久美子はいたたまれなかった。
その場から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
同じ娘を持つ母親として、痛いほど気持ちは解る。
しかし彼女の心配の原因が自分であることを
告白することも出来ず、針の筵に座らされたような居心地で
ろくに扶美の様子も注視出来ないまま、
4限目の授業の終わりを告げる鐘を聞いた。
するとすぐさま立ち上がって振り返った真由が久美子と母親の方を見た。
そして久美子の方に意味ありげな視線を投げかける。
それは事前に打ち合わせしていた通りだった。
『昼時間になると目配せするから、私の後ついて来て』
(今から・・・)
誰にも内緒の二人だけの時間を作る、その合図だった。
そして真由は教室を周りの子達に紛れて出て行った。
(いよいよ?でも・・・)
この1週間、あれほど待ち望んでいた時がきたというのに
久美子は教室を出ることを躊躇してしまう。
彼女に女として愛される嬉しさと、母として子を思う親心が葛藤していた。
答えの出ぬまま、とりあえず真由の母の側から逃げるように教室を出た。
真由は廊下で待っていた。
久美子が教室から出てきたのを確認すると、無言で歩き出した。
久美子も真由から少し距離を置いてついていった。
真由の母の心配する顔がちらつく。
以前、扶美と真由がキスしていた現場を目にした時の衝撃が甦ってくる。
(やっぱりこの関係はこれ以上続けるべきではないのでは?)
そう思い悩むと久美子の足は自然と止まってしまった。
いつの間にか廊下には人っこ一人いなくなっていた。
自分以外の足音が聞こえなくなった異変に気付いた真由が立ち止まる。
「どうしたの?」
前を向いたまま細い声で真由は後ろにいるだろう久美子に聞いた。
「やっぱり私には出来ない・・・。娘も夫もいる。
貴女にもあんなに心配してくださってるお母様がいるのよ」
久美子は心痛な表情で真由の小さな背中に語った。
「嘘ね。貴女は全く別の事を望んでいる」
そう言うと真由が初めて振り返った。
真由の目を見た瞬間、全身の血が逆流するように熱くなった。
ネコ科の動物が獲物を見るような鋭い眼光。
己の全てを吸い込んでしまいそうな深い瞳。
既に自分の意志で動こうとしなかったのではない。
金縛りにあったように、足がすくんで動けなかった。
天使の誘惑と悪魔の挑発が同居した瞳で、
女神のような体は既に愛撫されていた。
久美子の心が濡れる。
(ああ、感じたい。真由の愛撫に溺れてしまいたい)
もう勝負はついていた。
普段は可愛い愛嬌のある笑顔を見せる少女が、妖艶な大人の女の微笑を浮かべ、
無言で前を向き再び歩を進めた。
悠然と遠のいていく小さな背中に引っ張られるかのように、
久美子はヨロヨロと千鳥足でついて行った。
静かだった流れが少しずつドロドロとしはじめ、
いつの間にか小さな渦を巻き始めていた。
この一週間、久美子が妄想していたのは、体育館の用具庫や
女子トイレの個室、はたまた化学実験室等で真由と隠れてするHだった。
真由の後を追いながらその行き着く先を想像してジュンと股間が濡れた。
いつの間にか再び二人の周りでは、男子生徒達が廊下ではしゃいでいる。
そんな生徒達の横を通り抜ける自分が興奮してアソコを濡らしていること等、
この子達は想像もしないだろう。
そんな事を考えると余計に久美子の股間は濡れてしまうのだった。
着いた先は久美子が想像もしていなかった屋上への入口の踊り場だった。
いつの間にか真由は普段の子供っぽい口調になっていた。
「もう何でママが来ちゃうの?信じられない」
久美子は真由のその様子を見て少し呪縛から解き放たれたように
心にも無いことを言った。
「ねえ、真由。貴女のお母様も来られたんだし、
やっぱり今日は止しましょ」
「何言ってるのよ。こんなチャンス滅多にないのよ。絶対に嫌。
久美子だって本当はしたくて堪らないんでしょ?」
頭に血が昇っていたせいか真由は手荒に久美子のスカートの上から股間に
手を宛がった。
「ちょっと、やめてよ、こんな所で。・・・まさかココで?」
「ふふ、私は別にココでも良いのよ。
久美子が一切声を出さないっていうならね」
そう言って真由は屋上と踊り場を隔てている重そうなドアのノブを
突然蹴り上げた。
ゴンッ
「イテテテっ、乙女にはこれがきついんだけど・・・ホラっ!」
ギギっと音を鳴らして扉がゆっくりと開いた。
「反対側の扉は単に鍵が閉まってて開かないけど、こっちの扉は壊れてるのよ。
でもこうやって蹴り上げれば屋上に出れるってことを知ってるのは
殆ど誰もいない。さあ、早く」
真由は久美子の手を取り燦々と降り注ぐ太陽の下に出た。
周りでは一番高い建物らしく、3階建ての校舎の屋上から見渡す眺めは、
遠くの街並みまで見渡せ、その圧倒的な開放感に久美子は眩暈がしそうになった。
とは言え遠くの方では高層マンションも見える。
そこからは自分達のことなど米粒程度にしか見えないだろうがそれでも
こんな外で裸を曝け出してHするのは恥ずかしかった。
(外なんだ!?)
『はははっ、バ~カ、馬鹿かお前、何してんだよ』
『うるせい!』
下の校庭の方から男子生徒のふざけ合う声が聞こえる。
「無理!こんな所で・・・」
久美子はたじろぎ、引っ張る真由の手から逃げるように尻込みをした。
こんな所で何が出来るというのだろう。
この年で青空の下、裸を晒すなんてとても恥ずかしくて出来そうにもない。
真由はそんな久美子を強引に引っ張って屋上の片隅の鉄柵に導いていった。
「ほら、下を見て。昼休みで皆自由に動き回ってるけど、
誰も上を見ようとはしない。そんなものよ。
さあ、眩しい太陽の下で久美子の綺麗な体を見せて」
そう言うと真由は久美子の上着のボタンを外し始め、同時にくちづけをした。
「んふんっ、やっぱり恥ずかしい。
万が一気付かれたら取り返しのつかないことになる」
怖気づいて抵抗する久美子に真由は少し強引に責めだした。
鉄柵に押しつけるように久美子を追い込むと、
ブラウスの上から両手で左右の乳房を寄せるように揉みまくる。
「こうされるの、毎日想像してたんでしょ」
「いやっ、やめて、はああ~」
「口ではそう言いながら、このいやらしい体が求めてるわよ。
貴女、その為にここに来たんでしょ」
エロティックな手付きで揉む掌からじわじわと気持ち良さが広がっていく。
段々呼吸が荒くなる。
「ふ~ん、はあ、はあ、んぐ、ふ~」
「好きよ。久美子が好き。だから今すぐ欲しいの」
一瞬見つめ合ったかと思うと再び真由の柔らかい唇が重なってきた。
「んんっ、はあっ、んん~ん」
恥ずかしさが興奮に変わり、侵入してくる舌を迎え入れるように
久美子も舌を絡めて柔らかく温かい感触を堪能した。
くちゅくちゅと唾液が混ざり合う。
柔らかい舌は歯茎まで丁寧に這わされ、
鉄柵を握り締めていた久美子の両手が力無く、だらんと落ちた。
真由は乳房をぐいっと持ち上げるようにしながら左の人差し指でその
天辺を回し転がしもう片方の人差し指ですばやく弾くように震わせる。
「あっ!」
久美子の口からキスの合い間をぬって悦びの声が出る。
真由はキスをしたまま早業でブラウスのボタンとブラのホックを全部外した。
キスに堪能しているうちにいつの間にか露にされた乳首を直に弄られ、
驚きと共に電光が走ったような快感で声が出た。
「あああっ」
(いつのまに?)
「はっ、恥ずかしい」
慌てて両腕で前を隠す久美子だったが、
真由のキスが唇から首筋、耳へと移っていくのと同時に
力を奪われた腕を剥がされた。
「太陽の下でオッパイ出すの恥ずかしい?ふふ、それがいいんじゃない。
案外いつもより感じてるんじゃない?確かめてあげる」
真由は降り注ぐ太陽光が反射するような白い乳房に舌を這わせる。
「ああ~」
舌が渦を描くようにして中心のサクランボを目指していく。
「ふ~ん゙、ふ~ん゙」
久美子は蚊の鳴くような声を上げながら、恥ずかしさと快感に耐えていた。
いよいよ登りきった長いが登頂するなり、くるくると乳輪に沿って
乳首のエッジを舐め回すとそれら全てをすっぽり口に含んだ。
体がビクッとなり再び久美子の体を電光が走った。
「ああ、素敵、久美子の乳首。美味しい」
(ああ、どうして?真由の言うようにいつもより感じちゃう)
ドロドロの小さな渦は周りを巻き込み次第に大きく膨らんでいった。
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