この話はつづきです。はじめから読まれる方は「哀れ妻・陽子」へ
弁護士は資産等の書類を束ねながら言った
「奥さん、もう1つ尋ねる事が有るんですが」弁護士は書類をテーブルに置きコーヒーカップを口に運んだ
「何ですか?」陽子は微笑みながら言った
「いえね、御主人の昇さんは高血圧が原因での事故死と成っているんですがね、いつ頃からですか?」冷めたコーヒーを啜りコーヒーカップをテーブルに置いた、陽子は表情を変えずに答えた
「うん~いつ頃かしらね、多分亡くなる一年前位かしらね~」
「そうですか、ちょっと気に成る事が有りまして」
「気に成る事ですか?」
「ぇぇ、SMプレイ時の心臓発作で亡くなられた事に成っていますが」弁護士は冷徹な眼で陽子を見ながら言うと横に置いていた鞄からディスプレイ付きのDVDプレイヤーを取り出し陽子の方に見せ作動させた(その毒はね絶対に検出されない毒なの…)DVDプレイヤーから昇と陽子の生々しい画像が流れ出した、陽子は驚愕しながら顔を強ばらせ全身から血が引いていった
「…これは、どこで、どこにこんな物が…」陽子の口の中は渇き切っていた
「人間悪い事は出来ませんね、御主人は至る所にカメラを仕込んでいたみたいですね」弁護士は不気味に笑った
弁護士の爬虫類の様な不気味な眼差しが陽子の胸を抉り背中に寒気を感じた、弁護士は唇を舌で舐め陽子を品定めする様に躰をまじまじと視ると
「奥さんの喘ぎ声も最高ですが、縄栄えする躰も最高ですね~」弁護士は不気味に嗤った、陽子はけ獣に睨まれた餌の様に全身の震えが止まらなく成っていた、弁護士は更に続けた
「別に奥さんを警察に突き出す気は僕には毛頭無いですよ、只ね」弁護士は興奮を抑える様に大きく息を吸い込み抑える様に息をゆっくりと吐いた
「僕も御主人と一緒で自分でも怖くなるぐらいな真性のサディストなんですよ、奥さんみたいな憂いの帯びた顔や躰を視るとね~」不気味以上の鋳る様な眼で陽子を見た、陽子は恐怖で身体を震わせながらも気丈な態度に出た
「先っ…先生も(生唾を飲み込み)あの人と同じで…人の弱めに漬け込む最低な人なのですね!」陽子はそう言うとソファーから立ち上がり部屋を出ようとした
「この部屋を出て何処に行くんです!、警察ですか?それとも逃亡するんですか?」弁護士の言葉に陽子は立ち止まった
「別に僕はどちらでも構わないんですよ、このまま逃亡すれば更に罪が重くなるだけですし、仮に自首をしたところで(ニヤっと嗤い)計画的な犯罪ですから執行猶予はつかんでしょうね~」弁護士の言葉が胸に突き刺さった
「なっ…何が欲しいんですか!!、お金…それとも…躰ですか!!」陽子は顔を硬直させながら言った、確かに弁護士の言葉通り陽子には逃亡か自首の2つの選択しかなかったもしどちらも選ばないで済む方法は1つだけしかなかった
「奥さん、僕はどちらでも構わないと言ってるじゃありませんか?」弁護士は自らの欲望を自らから口に出そうとはしなかった、あくまで陽子の口から言わせようとしていた
「判りました、此から警察に出頭します、私は愛する夫の復讐を遂げましたから、この世に未練など有りません!」陽子は覚悟を決め弁護士を睨み付けながら言った、弁護士は大きく溜め息を尽きながら言った
「なるほど、素晴らしい覚悟ですね~、貴女はそれで気が済むのならそれで構いませんよ」弁護士はそう言うと鼻で笑った
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