気を付けて(その1)_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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気を付けて(その1)

15-06-14 10:24

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「気を付けて(序章)」へ

『お邪魔してまーす。』

胡桃みたく大きな目を細くして、私に挨拶をする。
私のお兄ちゃん、未知鷹 直(みちたか なお)の彼女は、
ケータイの画面で見るより数倍可愛かった。
女の私が言うのも変だけど..こりゃ惚れるわ…。

挨拶をしてくれたわいいものの、2、3秒硬直状態だった私に

『おーい、なみ?生きてるかー?』

と、お兄ちゃんが声を掛けてきた。

「あ、大丈夫。ゆっくりしていってください…ね..?」

表面上はすっごく笑顔で。それでもお兄ちゃんは
一瞬の緩みから見せた寂しさを見逃してはくれなかった。

『どした、そんな顔して。疲れたのか?』

優しくしないで欲しい..今は、駄目なの。

『あ、私がいたから吃驚したんじゃ?』

余計なこと言わないで..そんなんじゃない。

『あぁ、そうゆうことか..急に連れてきて悪かったな。
疲れてるならゆっくり休め?』

納得しちゃうんだ..

「あ、うん…ありがとう…」

堪えてたのに..涙が..溢れてくるな…

『…?な、み..?お前、泣いてんのか?』

「…違うよ。それじゃぁ後は二人で楽しい時間でも..。」

逃げるしかない、逃げるしかなかった。
廊下を走り抜けて、自分の部屋に駆け込んだ..
拭っても拭っても流れ出る涙を必死で止めようとしながら。

「..うぅ..お兄ちゃんの馬鹿ぁ..馬鹿…。もう嫌いになりたいよ…
でも無理だよ…」

子供みたいに泣きじゃくり、枕をぎゅっと抱き締めて。
ベッドに寝転がって布団に潜る。

次に目を開ければ、見慣れた顔が此方を覗き込み微笑んでいた。

「…へ?」

『…なみ、やっと起きたか?やっぱり疲れてたんだな。』

「えっと、…私は?」

仰向けに寝転がっている私に覆いかぶさる様に
お兄ちゃんが四つん這いで上にいて、さらには寝起きで頭が回らない..

『だから、泣き疲れだろ。お前、そんなに俺のこと好きだったのか?』

クスクスと笑いながら、そう言って見下してくるお兄ちゃんに
私はムッとした。胸はドキドキとしていて、顔はきっと真っ赤だけど..
精一杯…

「う、うるさい!お兄ちゃんなんて、あの彼女といればいいんだ!
今すぐ私から離れてっ、変態!!」

と、抵抗をしてみせた。

『おいおい、目を覚ましていきなりそれか?
寝てる間はずっとお兄ちゃん、お兄ちゃん言ってたのによ。』

「..っ!!い、言ってない!変な妄想すんな!いいからどい…んむっ!?!?」

言い返す間もなく、手首を押さえつけられれば
お兄ちゃんは抵抗を続ける私に、無理矢理キスをしてきた。

『うっさい…黙ってろ。』

既に開いていた唇から舌が入れられ、
簡単に口内を舐め回されてしまった..

「んぅっ!?ふ、んっ..!やぁ…っ」

ジタジタと脚をバタつかせるも無駄に終わり…
やっとの思いで唇が離されると、

「..はぁ、…はぁ..な、何..すんの….変態、馬鹿…!」

途切れ途切れ、息を整えながら
枕で真っ赤になってしまった顔を隠しつつ言い放つ。

『..ん、..何って?今のはディープキスだ。知らなかったか?
初めてとか..?』

「は、初めてだけど…って、そーじゃなくて!!
兄妹で何してるのってこと!彼女さん待たせてるんでしょ!?」

『..あぁ..、アイツには帰ってもらった。で、縁も切った。』

「は?なんで…?」

『….いや、お前が泣いて部屋に走って行ったあと..
アイツ…変な妹さんだね、私に妬いちゃったのかな?
私にも妹がいてね、言ってたよ。なおくんの妹さん変って。
とか、言ったんだ..お前の気持ち、知らないで彼女つくって、
しかもその彼女に妹を馬鹿にされて..本当の気持ちに気付いたわけだ。』

「…い、意味がわかんないよっ..私別にお兄ちゃんのこと..んむぅ!!」

また遮られた…

『…好きって言えよ。俺は好きだぜ?なみのこと。』

「~っ、ば、馬鹿っじゃないの!?お兄ちゃんが
私を好きなんて変だよ!可笑しいよ!!」

『ん?そうか..?好きに兄妹もなにもないだろ?
お前も俺が好きなんだから。』

「…う、…それは..勘違いだし?私がお兄ちゃんを好きって..
そんなわけないよっ!」

『素直にならないと、襲うぞ。』

「な、!!脅すの!?」

『ん、脅すの。』

その言葉を合図に、お兄ちゃんの手が私の服の
ボタンを外していく..

「わっ、ちょ!!待って!駄目だってば..!」

『なら、早く言えよ好きって。』

そう言いながらも服がどんどん脱がされて..

「….わ、わかったから!」

ピタリと動きが止まった。

『ん、じゃぁ聞かせて?』

「わ、私…も…お兄ちゃんが、好き…です。」

『良くできました。』

「あ、ちょ!?やぁっ、何で脱がすのぉっ!!」

『好きなら続きすんのが筋だろ。』

こんな風に両想いになれた私達だけど..
この後どうなったかはまた次に話すね。

つづき「気を付けて。(その2)」へ


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