堕ちた天使 16_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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堕ちた天使 16

15-06-14 10:25

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ

「はああっ、ぅぅぅ~わあっっっっ!、あううっっっ、ぁぁぁあ゙あ゙っっ!」
熟れた女体が、まだあどけなさの残る少女とは思えぬ老獪な舌技の前に、
しなる鞭のように2度3度ガクン、ガクンと激しく跳ね上がる。

その見事なまでのボディーは最後の力を搾り尽くしたのか、
エロティックな香りを残したまま動かなくなってしまった。
少女はすぐ横でまだピクピク痙攣している太股を感じながら、
満足気に上体を起こした。
彼女も疲れ切っていたのか、うっすら白目を剥いて気絶している女の横に
倒れ込む様にそのまま深い眠りについたのだ。

女同士の世界を初めて知って、久美子の中で何かが大きく変わった。
例えるなら硬い殻がパカッと気持ち良く割れたような。
(こんな世界があったなんて・・・)
目が覚めて見慣れた天井の染みをボーっと眺めながら、
久美子は自分の身におこった昨夜までのことを思い返していた。
起きたのはもう昼前の11時頃だった。
隣では、まだ真由が口を開けた無防備な顔でスヤスヤと寝ていた。
久美子も真由も全裸のままだった。
どうやら二人共、体力の限界まで愛し合うと、
疲れ切ってそのまま眠りについてしまったようだ。
当然であった。
久美子が真由に襲われたのは昨日の昼過ぎの2時頃。
それから2人はSEXに没頭し、眠りについたのは
はっきりと憶えてはいないが、夜中の4時を回っていた。
軽い食事や休憩を挟みながらとはいえ、十数時間にも及ぶ
ロングランSEXは久美子にとっても初めてだったし、
精根使い果たした体はまだ鉛のように重くダルかった。
「ほんと、こんな中年おばさんのどこがいいの?」
久美子は少し照れ隠しするように微笑みながら可愛い寝顔に呟いた。
真由は最中、何度も「好き」と言った。
それは久美子自身にであったり、体の部分部分にであったり、
愛情たっぷりに囁いてくれた。
こんな可愛い子に「好き」と言われて悪い気はしない。
しかも女性特有の優しい愛撫で蕩けさせられながら言われたら、
例え嘘でも気持ちが震え昂ぶらずにはいられなかった。
いつしか久美子の心の中にこの小悪魔ちゃんが入り込んできて、
改めて女として愛される高揚感を感じている自分に戸惑っていた。
昨夜のSEXの殆どの時間、真由が主導権を握り、巧みにタチ役として
リードしてくれた。
それこそ何度イカされたのか数え切れない程。
だから久美子も真由に気持ち良くなってもらいたいと、
慣れない愛撫で奉仕しようとすると、真由はすごく喜んだ。
が、しばらくするといつの間にか真由の手が久美子の体を這い回り、
立場はすぐに逆転してしまうのだ。
そんな真由の瞳は
(今夜だけは、ただその身をもって女性の愛し方を感じ取って)
と無言で語りかけていた。
事実、彼女の愛し方、柔らかい肌触り、自分でも気付かなかった性感帯は
どれも新鮮で、久美子は恥じらいも忘れ、自分でも信じられないくらい
ベッドの上で乱れのた打ち回った。
夫では決して味わうことの出来なかった恍惚感、
初めて知った終わりのない泥沼のような甘美な世界、
それら全てが久美子の細胞一つ一つを塗り変えていくように感じた。
(もう夫では感じない身体になってしまったかもしれない)
夫に対する罪悪感が、心揺れ動く久美子の上に重くのしかかる。
始まりはどうであれ、結果的に性に溺れ過ちを犯してしまったことは事実である。
自ら快楽を求めるようになり、命じられるまま夫と比べ、
そして選択したのである。夫より真由の方がいいと。
それを罪深きこととするならば、業火の炎に焼き尽くされても仕方ないだろう。
どんな結果になろうと犯してしまった罪を嘆くことは許されないのだと思った。
久美子はその意味では覚悟が出来ていた。
只、娘の扶美にだけは決して知られたくなかった。
だからこの事は何があっても秘密にしなければならないと思った。
それこそ娘に会わせる顔がなかった。

「起きてたんだ。お早う。あ~あ、残念。
久美子さんの無防備な朝の寝顔が見たかったのに」
真由がようやく眠い目を擦りながら目を覚ました。
「・・・お早う・・・あの、どう言ったらいいのか・・・わからないけど・・・」
モジモジする久美子に対して精一杯の明るさで真由が話しだした。
「昨日はありがとう。私の想いを受け止めてくれて。わかってるよ。
私そんなに子供じゃないから。扶美ちゃんの事は、あれは全くのでまかせ。
安心して。キスしてたのも本当にふざけてただけだから。
寂しいけど一度きりという約束だったもんね。私は大丈夫。
昨日の夢のような時間をずっと大切にしていくから。
あっ!もうこんな時間。いつ扶美ちゃんが帰ってくるかわかんない。
早くシャワーして帰らなきゃ」
そう言うと真由は慌ててベッドから降りて、下着を探し始めた。
(そう・・・何だか呆気なかったな。あんなに求めてきてたのに。・・・
うん、でもこれでよかったのよ。誰にも知られず元の鞘に収まっただけなんだから。
なのに・・・あれ?なんで?・・・、何を言おうとしてるの?ダメよ)
急いで下の風呂場に行こうとする真由の背中に、
久美子は自分でも意外なセリフが口から飛び出た。
「来週の日曜日、暇なんだけど一回くらいなら外で会ってもいいわよ。
貴女思ったより悪い子じゃないみたいだし」
真由は立ち止まって驚いたように振り返った。
「えっ?本当?・・・久美子さーん、好き」
いきなり久美子に抱きついてきた。
そしてキスの嵐を浴びせる。
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ
「ちょっ、ちょっと、もう、ダメよ。昨日あれだけしたんだから」
「だってうれしいんだもん。とか言いながら久美子さんだって
本当はして欲しいくせに」
真由は知り尽くした久美子の弱点に集中的にキスを浴びせた。
「やんっ、そんなことないって。もう充分よ」
「正直じゃないなあ。暇だからなんて言ってるけど、
一夜限りじゃ寂しいんでしょ?だってスゴイ声出してたよ。昨日」
「バカ・・・あん、娘が帰ってきちゃう」
「じゃあ、こうすればいいよ」
すぐさま真由は幸子にメールを送った。
『夕方まで遊んでて』
「これで大丈夫。寝不足も解消したし、昨日の続き。
一回と言わず、もう私のこと忘れられないくらい感じさせてあげるね。
久美子さん、だ~い好き!!」
「ああ~ん、やっぱり貴女、悪い子だわ。こんなおばさんたぶらかして。
はああ~、嬉しい」
久美子は娘のことを思うと少し不安が過ぎったが、
それもすぐさま真由の舌が払い除けてしまった。

つづき「堕ちた天使 17」へ


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