この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ
幸子は妄想の中でもがいていた。
おそらく今この時も想いを寄せる人は、自分以外の
他の女と愛欲の世界にどっぷりと浸っているのだろう。
そんなことを考えると嫉妬と悲しみで狂いそうになった。
それなのに体は欲望と感情が渦巻く光景を想像して疼いてしまう。
被虐感は生来のMの血を騒ぎ立て、空間を越えた2人の情欲が
幸子の体に流入してくるようだった。
「・・・ハァ・・・フゥ・・・」
友人の寝ている目の前だというのに、自らの股間を這う指を止められない。
「・・・ハァ・・・ハァ・・・」
恋焦がれる人が別の女のアソコを美味しそうに舐めている姿を想像して
自分が責められているような感覚になる。
指が楕円を描くようにしてそのスピードを増していった。
幸子のこういった歪んだマゾ性を目覚めさせたのは、
彼女が今想いを寄せる西尾真由であった。
一目惚れだった。
昔から幸子が好きになるのは女の子ばかりだった。
どうしてと自分でも悩んだし、中学2年の時はとりあえず告白された男の子と
付き合いもした。
でもどうしてもガサツな男子には馴染めず、それも2ヶ月で別れてしまった。
転校してきた真由を初めて見た時、天使がこの世に舞い降りてきたと思った。
その想いはいつしか暴走し、誰もいない教室でこっそり真由の脱いだ
スカートの匂いを嗅いで妄想に耽たりしていた。
ある日、不審に感じていた真由にその様子を一部始終見られてしまったのだ。
怯えうろたえる幸子に真由は意外な言葉を言い放った。
自分の見ている前でオナニーをするように命じたのだ。
幸子は真由の恥ずかしいお仕置きに従うしかなかった。
それから真由と幸子の主従関係が始まったのだ。
そしてそれは幸子の望むものとなっていった。
「・・・ハァ、ハァ・・・ま・・ゆ・・」
扶美がひたすら寝た振りをしながら時が過ぎるのを待っていた時、
意外な名前が耳に入ってきた。
「えっ?今、真由って言った?」
扶美は寝た振りも忘れて、つい咄嗟に聞き返してしまった。
「あっ!・・・・」
「!・・・・」
気まずい時間が数秒間、目の合った二人に流れた。
幸子の目から大粒の涙が零れ始めた。
今まで見られていたという恥ずかしさと驚きのあまり、
顔を手で覆っておんおん泣き出した。
突然子供のように泣き出すものだから、扶美も焦った。
「ご、ごめん。見るつもりはなかったのよ。ただ起きたら
私もどうしていいかわからなくて」
別に悪いことはしていないのだが、ただひたすら扶美は謝るしかなかった。
「誰だってすることだから。私もモヤモヤした時はするし、
決していけないことじゃないと思うよ」
「・・・本当?」
「うん、悪いことじゃ・・ないと・・思う」
「そうじゃなくて、扶美もこういう事するの?」
「えっ、す、するよ。たまにね」
扶美は自分でも何をあからさまにしてるんだと思いながらも、
同調するしかなかった。
「じゃあ、見せて」
「えっ、えええ~?!」
「私だけ見られるなんて不公平だもん。扶美がオナニーするところも見せて」
(いや、不公平って、私見せられただけで見たいなんて一言も言ってないんだけど)
などと思っても有無を言わせないぐらい、幸子の目は真っ直ぐと訴えていた。
「あんっ」
戸惑う扶美を目の前に、幸子は再び指をアソコに這わせ、
オナニーの続きを今度は堂々と面と向かって見せつけた。
扶美も友人の艶かしい動き、吐息に当てられたように妖しい気分になってくる。
「扶美もいつもしてるようにしてみせて。はああ~」
扶美は言われるままパジャマの中に右手を入れ、自分のアソコにあてがった。
そこは知らぬうちにしっとりと熱くなっていた。
「うっんん~」
二人はお互いを目の前にしながら、普段は見せない色っぽい顔を晒し合った。
「あんっ」
「うんっ、あっ」
「扶美、気持ちいいよ~、でももっと気持ち良くなる方法があるの」
幸子はパジャマの中で弄る扶美の右手を取って、自分の濡れたアソコに導いた。
そして同時に扶美のアソコに自分の右手を這わせたのだ。
「あんんっ~」
一際高い声が扶美の口から上がった。
「ねっ、不思議と自分で触るより他人に触ってもらった方がずっと気持ち良いでしょ。
ねえ、扶美も私のココもっと擦って」
そう言いながら幸子は中指で小刻みに扶美のクリトリスを弾いた。
「あっ、あっ、あっ・・・」
扶美は必死で声が出るのを左手で抑えた。
確かにそれは自分でする時の何倍もビンビンに感じる。
「うれしい。感じてくれてるのね。お願い私も」
幸子は右手で扶美のクリトリスを弄りながら、左手で扶美の右手を導くように
自分の割れ目に沿って前後させた。
「フウ、扶美の指、柔らかくて暖かい。ああん」
扶美は幸子に導かれるまま彼女の濡れたクレバスを指で擦った。
もう二人は無我夢中でゴール目指してお互いのアソコを弄り合った。
「ああっ、イキそう。イっちゃう。お願い、一緒に」
「あっ、あっ、あっ、サチ、私も、あっあああ~」
扶美と幸子は同時にエクスタシーへと登りつめていった。
「フゥ~・・・ゴメンね、扶美」
幸子が余韻に浸りながら急に沈んだ表情をした。その意味を知らない扶美は、
幸子に今までにない親近感を感じながら笑顔で答えた。
「んっ?・・・何が?謝らないでよ。これは二人だけの秘密だよ」
扶美は知る由もなかった。
2人が劣情にまかせて淫猥な行為に浸っていた時、その裏では
普段貞淑で慎ましやかな母親が自分と同じ年の同級生によって、
女同士の愛に身も心もドロドロに溶けていたことなど。
つづき「堕ちた天使 16」へ
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