借金返済_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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借金返済

15-06-14 10:30

とある山奥。1台のワゴン車が山道を走っている。その中には運転手と助手席に1ずつと後部座席に2人乗っている。前の2人は上から下まで全て黒に統一されたスーツ姿の男。後ろには、みすぼらしい服装の女性が2人乗っている。
頂上の建物が見えてくると助手席の男が後ろに声をかけた。

「見えてきたぞ。あそこが今日から働く場所だ」

とだけ言うと、また車内は静まりかえった。真っ黒な鋼鉄製の高い扉が「ギギギッ」と重い音を立ててゆっくりと開き、車は中に吸い込まれ扉はまた重い音を立てて閉ざされた。

玄関前に車が止まると、前の男に

「降りろ。」

と言われ後ろの女性が重い足取りで車から降りた。豪華な建物に入り、しばらく長い廊下を歩く。そしてある部屋の前で止まり、男がドアをノックする。

「コンコンッ!!」
「どうぞ入って下さい」
「失礼します!!所長、新人の2名をお連れしました」
「御苦労。下がっていいぞ」
「はっ!!失礼します!!」

案内をした男が去り、部屋の中には所長と呼ばれた人物と他に2名の人物、そして連れて来られて2人の女性だけとなった。

「ようこそ当施設へ。所長の山根です。まっ掛けて下さい」

山根に言われ2人は豪華なソファーに座った。

「さて・・・名前はと・・・、眞由美さんと智美さんね?ふんふん・・・。年齢は?」
「43です」
「24です」
「眞由美さんが43で、智美さんが24ね?分かりました。で?当施設の内容などはご存じなのですか?」

2人は顔を合わせたが、首を横に振った。

「そ~ですか~・・・。何の説明も無く・・・ですか・・・」
「ただ私達は借金が短期間で返せるという事しか聞いてないのですが・・・」

山根は葉巻を手に取る。付き人らしき男が火を差し出し、山根は葉巻に火を付けゆっくりと吸うと煙を吐いた。

「ええ。確かに短期間に稼げますよ?長い期間いればいる程に稼げます。が、しかし・・・かなり体力を必要としますが?智美さんは若いので大丈夫だとは思いますが、眞由美さんは・・・自信ありますか?」
「はい!稼ぐ事が出来るなら、死ぬ気でやりますので!!」
「そうですか。では仕事の内容と給料の話に入りましょう。もしダメな時は言って下さい。すぐにお迎えの車は用意しますので」
「はい」

眞由美と智美。2人は闇金にまで手を出し、借金が雪だるま式に膨れ返済が出来なくなり、闇金から仕事を紹介されたのだ。自己破産をしたくても、すでに2人共、過去に自己破産をしており出来なかった。風俗で働こうとしたが、とても返済が出来る額ではなかった。
眞由美は8億近く、智美も6億近くまで借金が増えてしまっていた。

「・・・という内容ですが?どうです?出来そうですか?」
「そ、そんな内容って!!」

2人は山根の説明を聞いて愕然となった。内容は次の様なものである。

ここは全国の凶悪な性犯罪者を収容している刑務所であり、仕事の内容は囚人達が2度とこの施設から出ない様にする為に、この施設自体を巨大な風俗店にしていたのだ。だが囚人たちは3度の飯よりも女が好きな男ばかり、働いている女性の中には死亡した者までいる。
その代わりに給料は破格の金額で、1日100万も貰えるのだ。つまり1年間無休で働けば、3億6500万になる。だが、それだけの金額という事は仕事内容も、かなりハードになる。
1日に50人の相手は普通で多い日は100人を超える事もあるのだ、しかも休憩などほとんど無い。それに人手の女性の数が足りておらず、補充してもすぐに脱落してしまい、追いつかないのだ。これがこの施設の全貌だ。

「ですから最初に言った通り、無理なら結構ですと言いましたが?」
「・・・・・・・」

2人に考える余裕などない。1日でも借金を返済して自由になりたい。他に返せる当てなど無いのだ。2人は、しばらく考え働く事を決めた。それを山根に言うと

「そうですか!!それでは今日はゆっくりと休んで明日から働いて下さい。部屋は準備してありますので案内させます。では頑張って下さいね!」

山根は上機嫌になり2人を部屋に案内させた。2人は部屋に案内されると、あまりの豪華さに目を丸くした。3LDKの部屋には家電が全て揃い、食事も豪華な料理、洋服もクローゼットにブランド物がずらりと並べてある。
それも1人ずつに。2人は明日からの地獄の日々など忘れ、豪華な部屋で上機嫌になり眠りに着いた。
そして地獄が始まった・・・。


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