痴漢師 第六章_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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痴漢師 第六章

15-06-14 10:33

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「痴漢師」へ

偶然出来てしまったあの日、しかしそれからが本当の闘いであり、試練の連続だった。
どうしたらあの日の様に出来るのか、どうやって求めている相手を見分ける事が出来るのか、連日の様に各路線を巡り経験を積み重ね、日々思考と反省を繰り返した。

先ずは当りの付け方だ。
電車の揺れに合わせ、手の甲でのファーストタッチ、意識過剰の子はこの時点で異常に反応する。
更に二三度繰り返して、嫌な子はこの辺で立ち位置をずらしたり、後ろを振り向くだろう。
この当り着けで無反応ならば、次に手の甲から手のひらでタッチを試みてみる。
軽めに何度かタッチして、相手の様子を伺ってみる、ここ迄して無反応ならば次に手のひらでヒップを包み込んでみる。
ここ迄出来れば、何も言えない子か痴漢を求めている子だろう。
しかしだからと云って、何処迄を許してくれるか、求めているかは相手の子と無言のやり取りで確認するしかないのだ。
ここ迄の手順を手抜きしたり、自分のしたい事だけをしてしまえば、大丈夫な相手でも態度を一変してしまう。
自分のしたい事をするのではなく、相手の求めに応じる事なのだ。
お尻だけなら構わないが、それ以上は許してくれない事もあるのだ。
これが彼が何度も失敗を繰り返し、経験を積み重ねて出た、捕まらない為の答えだった。
次に痴漢をやり易い服装は、軟らかい生地でヒラヒラ、フリフリ系だろう。
同じミニスカートでも、ジーンズ系の硬い生地は厳しい。
だからと云って、必ずしもスカートの女性だけをターゲットにする訳ではない。
ジーンズやパンツルックの方が楽しめる事もあるのだ。
スカートを捲り上げるのはテクニック的にも、結構高度な作業なのだ。
経験を重ねて行けば、OKっ娘や何も言えない子かは、嗅覚で解る様に成って来るが、比較的に可能性が高く出来る相手は、子供連れの女性と元ヤンキーの女性だろう。
自分好みの相手にするのではなく、やり易い相手、出来る確率の高い相手を選んだ方がベストなのだ。
そして何度も繰り返すが、自分のしたい事をするのではなく、相手の求めに応じる事だ。
そして手順を手抜きせずに、焦らずに確認作業を確実にする事だ。
それが自分を守る事になるのだ。

つづき「痴漢師 第七章」へ


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