この話はつづきです。はじめから読まれる方は「痴漢師」へ
ここに至る迄、彼はどれ程のリスクを背負っただろうか。
始末書・書類送検・罰金・起訴・実刑の刑事罰は勿論、実刑を受け刑務所に迄送られ社会的にも彼の信用は失墜し、家庭も崩壊した。
それでも尚痴漢を止められないのは一体なぜなのだろう?
一度この甘い蜜を吸ってしまうと、どんなリスクにも勝る快感があった。
セックスを連想・対象にしている訳ではないので、欲求不満がそうさせているのではないのだ。
先にも話した通り、宝探しの宝物を見つける楽しさ、その探し当てた女性との駆け引き、そして捕まるかも知れないと云うスリル、この全てが揃った時にアドレナリンが吹き出し、感情や理性すらコントロール不能に成ってしまうのだ。
そして、薬物やアルコールの様に中毒・依存症に陥ってしまうのである。
ここ迄進行してしまうと、一人ではまず立ち直る事は出来ないだろう。
つづき「痴漢師 第六章」へ
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