この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ
今井幸子。1、2度久美子の家に来たことがあった。
礼儀正しく、いかにも賢そうな子だったことを憶えている。
そんな子が真由とどういった関係なのだろうか?
友達と言うよりはまるで主従関係、いや、同級生を自分の『手駒』と言い切る真由の言葉の端々からは、もっとディープで異様な間柄を久美子は感じとっていた。
しかもそれを隠すことなくわざわざ久美子に見せつけたのは、ヤクザがよく使う脅しの手口そのものではないか。
久美子は、最早自分一人では抱えきれないと感じた。だが頼りの夫も当の扶美も、今晩は帰ってこない。
逃れられない絶望と埋め尽くせぬ孤独感が、久美子に急に重く圧し掛かってきた。
声の出し過ぎと心の乱れで、喉がカラカラだった。
久美子はサイドボード横にある小型冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、グイっと喉に流し込んだ。
「あっ、私も喉かわいた。何か飲むものある?」
真由は勝手に冷蔵庫を開け物色すると、2Lのペットボトルに入った麦茶を取り出した。
大きめのコップに氷を目一杯入れ麦茶を注ぐ。よっぽど喉が渇いていたのか、氷が融け始めぬうちにそれを一気に飲み干した。
「ああ~、生き返るう~」
氷だけが残ったコップを置くと、今度は缶ビールを久美子の手から素早く奪い取った。
「これも頂戴」
「あなた高校生でしょ」
「うん、飲めないからこうするの」
そう言ったかと思うとビールを口に含み、久美子の唇に重ねた。
「んぐっ、んっ」
ビールを口移ししながら、密着するように久美子をサイドボードに追い込む。
ちょうど胸が合わさり、真由は微妙に上半身を揺さぶってお互いの乳首と乳首を擦れ合わせた。
突然の再開に、少しだけ中断されていた体はもう乳首から伝わる快感だけでジュンと濡れ始め、臨戦態勢に入ってしまう。
肩を掴んでいた真由の左手が胸から腰へと下り、サイドボードの上にあった楯や置物を無造作に払い除ける。
そしてその上に久美子を腰掛けさせるとようやく唇を離した。
「ラッパ飲みはあまり女性としては美しくないわ。こっちの方が美味しいでしょ?」
そう言うと首筋から肩、乳首へと舌を這わしていく。
「ああっ、ああっ、うんっ、はあ~」
久美子は、張りつめていた糸が切れたような惚けた表情で、真由が与える快感に反応する。
虚無感で流れに身を任せる久美子の顔は、どこかエロティックに見えた。
おへそから陰毛の生え際へと唇が下りた時、真由は久美子の右足をサイドボードの上に乗せた。
当然、真由の目の前に久美子のおまんこが曝け出された。
「ひぃッ!」
久美子は突然息を吹き返したように、両手で自分のアソコを素早く隠した。
それまで孤独と絶望の縁で快感にただ身を委ねていた久美子だったが、最後の理性が彼女を怯えさせたのだ。
そこだけは真由のキスを受けてはならない。
女の本能からくる危機察知能力とでも言おうか、自分がどうなってしまうのか怖かった。久美子は恐怖の眼差しで屈んでいる真由を見つめた。
「そんな目で見ないでよ。疼いてきちゃうじゃない。せっかく時間がたっぷりできたんだから、もっと焦らしてくれなきゃ」
真由が何を言っているのか、久美子は全く理解出来ない。
ただ彼女の興奮が最高潮に達しかけているのはわかった。
そして同時に、自分自身も彼女の舌を待ち望む欲望が理性を超えていくのがわかった。
「ああ、もうっ、堪らない。久美子さんの望み通りに、本当はこうして欲しいんでしょ」
上目使いで真由は、久美子の心の底から沸き上がってくる欲望を言い当てると、邪魔な手をゆっくりと退かし、伸ばした舌で溢れる愛液をすくい取るようにおまんこを一舐めした。
「はああぅっ!」
瞬間、脳天に稲妻が走った。直ぐ打ち震えるような甘美な快感が全身に広がった。
(ああ~、ダメェ、堪らないわ!)
これまでの過程もあった。女性の優しいSEXを刷り込まれてきたこともあった。
エクスタシーにも導かれた。背徳的なことも逆に興奮に繋がったのかもしれない。
大袈裟でも何でもなく、この少女の一舐めは、久美子がこれまで人生で味わった快感を凌駕していた。
エクスタシーに達したわけではない。いや、頭がついていけなかっただけで、体はそれに近い感じだったのかもしれない。
久美子は初めての女の舌の感触に、一瞬で虜になってしまった。
つづき「堕ちた天使 12」へ
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