堕ちた天使 7_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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堕ちた天使 7

15-06-14 10:35

この話はつづきです。はじめから読まれる方は「堕ちた天使 1」へ

「わあ、素敵なベッド」
真由は寝室に入るや、無邪気な笑顔でセミダブルのベッドに豪快にダイビング
してみせた。

先程までの彼女とはまるで別人のようにはしゃぐ姿に、久美子はやっぱりこの子も娘と同じ年の子供なのだと思わずにはいられなかった。
だからこの期に及んでまだ思い違いをしてしまったのだ。
子供ならば冷静に対処すれば、この異常な状況を回避できるはず。そう思った久美子は懐柔策に切り替えた。
しかしそれは裏目に出てしまう。
久美子の知らない少女の闇は、彼女を更なる地獄へと落とす結果になってしまうのだ。
久美子はベッドの隅に腰掛けた。すかさず真由が後ろから肩を抱き締めるように腕を回す。
甘えん坊の猫のように頬擦りをして早くと急かす。久美子は静かに腕を解くようにして語りだした。
「真由ちゃん、すごく上手なのね。おばさん、あんな風になって本当恥ずかしいわ」
真由は久美子の後ろ髪を掻き分けうなじにキスをしている。
「もっと気持ち良くしたげる。こっちに来て」
久美子はうっとり目を閉じながらも、ここは負けじと話を続けた。
「本当のこと言うとね、真由ちゃんがおばさんのこと好きって言ってくれた時、うれしかった。私ももう42よ。こんな中年のおばさん捕まえて好きだなんて言ってくれる人、もういないと思ってたから。主人だってもうそんなことはっきりと口にしないし。決して悪い気はしないわ。むしろ心臓がドキドキしたぐらい。本当私なんかのどこがいいの?」
「久美子さんはおばさんなんかじゃありません。若くて綺麗で品があって。理想の女性です」
「ありがとう。でもね、SEXからっていうのはどうかと思うの。私ももっと真由ちゃんのことが知りたいし、真由ちゃんにももっと私のことを知って欲しいの。それでもお互い好きなら女同士で肉体関係があってもいいと思うわ」
久美子は真剣な目つきで真由の方を振り返り訴えた。
「もっとお互いのことを知りましょう。私も真由ちゃんのことが好きだから。そうだ今度休みの日にデートしましょう。二人だけで、お買い物して、お茶して、映画なんかもいいわね。そうしましょう。おばさん奮発して真由ちゃんに似合う洋服買ってあげる」
「ええ~、本当!うれしい。うん、すごく楽しみ」
真由は両手を口のところで合わせて驚いたように喜んだ。
「でしょ?だから今日のところは扶美が帰ってくるまで下でお話しましょう」
すると真由はしばらく考え込んでから表情を曇らせた。

「ううん、違う。そんなはずない」
「えっ?」
「嘘つき。子供だと思って丸め込めようとしてるんだ。そんなことで誤魔化されないわ」
そう言うと久美子の上半身をそのままベッドに押し倒し両手で肩を押さえつけた。
「キャッ!違うわ。別に誤魔化そうとか、逃れようとか思ってない。私はただ真剣に貴女のことを考えて・・・」
久美子は温かいものが鎖骨に落ちてきたのを感じた。カーテンの閉め切った薄暗い部屋で真由の表情がよく見えなかったが、きっと泣いていると思った。
(何か過去にトラウマがあったのかも)
真由の過剰な反応に久美子は自分の軽率な言葉を後悔した。
「・・・キエタクナイ・・・」
「えっ、何?」
「久美子さんの体に決して消せない跡を残してやる」
そう言ったかと思うと久美子の肩にいきなり噛み付いた。
「痛い!」
思わず久美子は大声で叫んだ。歯形が残るぐらい思いっきり噛み付かれたのだ。
「何するの。止めて!」
それでも真由は構わず力ずくで久美子を捻じ伏せ、腋の下、背中、腰のくびれ、お尻の下、太股の裏、膝裏と次々と噛んでいった。そしてブラジャーを素早く外し、右の乳房を思いっきり噛んだ後、左右の乳首を両手で捻り潰した。
「ギャッ!!」
堪らず一際大きい悲鳴が響く。
「痛い?そうよね。痛くしてるんだもん。誤魔化そうとした罰よ。でもそれだけじゃないの。今にわかるから」
真由は下着を脱いで全裸になると、久美子の唇を今度は軽く噛み一変、とびきり甘く優しいキスをした。
舌が優しく口の中を割って蠢く。太股がむっちり吸い付くように擦れ、オッパイ同士が押し潰し合い、その柔らかさに心酔する。
抱き締める腕がこの上なく優しく思えた。久美子は女性の体がこんなにも心地良いものなのかと改めて感じていた。
「舌を出して」
真由にそう言われもう拒否出来ない。言われるまま伸ばした舌が吸われる。官能的な真由の唇が上下した。
「んん~、んん~」
久美子の鼻息が荒くなる。蕩けるようなキスに興奮しだしている自分がいた。甘く濃厚ないい香りがする。
糸を引きながら唇が離れた時、久美子の眼はもう虚ろになっていた。真由が真剣な目で久美子を見つめる。
「美味しい。久美子さんは?」
「・・・」
久美子は答えられない。
「興奮しない?私はすごく興奮しちゃう。キスは大好き。好きな人といつだってキスしていたい。だからもう一回」
長い長いキスだった。今度は久美子からも積極的に舌を絡め求めた。
こうして濃密な時は過ぎ去り、この後久美子に嵐の前の静かな時間が訪れる。

つづき「堕ちた天使 8」へ


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