内田恭平は難関の国立大学の合格が発表されてからも憂鬱な気分は晴れなかった。
父子家庭で育ち周りからも何かと指をさされる子供時代から格差社会の淵に立たされた、
せめて学校の成績では相手にひけを取らないよう勉学に励んだ、その甲斐あって国立大合格にこぎつけたが東京で下宿となると金のことがどうしても頭から離れなかった。
しかし恭平の父、和郎は母親の愛情に飢えて育った息子が不敏で、せめて大学の下宿ぐらいは食事ぐらいきちんと食べさせてくれる下宿を探してやりたかった。
方々の不動産に電話してようやく見つけたのが四畳半一間の下宿であった。
和郎は息子の恭平に不動産屋の電話番号と当面の生活費30万を持たせて四月の入学前に送り出した。
恭平は父への感謝の気持ちと東京というまだ未知の生活の不安を抱いての旅立ちであった。
田舎から5時間、上野駅に降り立ったのは午後2時頃であった。
地図を片手に不動産にたどり着いたのは3時、不動産の三井という50代の男性は恭平の下宿先まで車で案内した。
下町風の狭い路地を何度も回りようやく下宿に降り立った。
「ここです、女主人で初枝さんというんだけれど未亡人で皆は「未亡人下宿」とかいってます」
「こんにちは、初枝さん学生さんを連れてきました」
「はーい、ご苦労様」
家の奥から出てきた女性が女主人らしい、恭平を見るなりニッコリ笑みを浮かべると恭平の荷物を手に持って部屋を案内した。
階段を先に上る初枝のスカート越に見えるふっくらとした尻、真っ白な脹脛が恭平には印象的であった。
恭平は幼い頃から暫らく父の実家で過ごした事があった。いつだったか離れの二階で遊んでいた時、ふと襖の奥に置かれた本の裏表紙に女の入浴シーンを見つけてから女性に興味を持った。丁度そのころ父の義姉がとても親切に面倒をみてくれて母のいない恭平は義姉にあこがれていた時があった。
義姉はとても大柄な肉体の持ち主で肌も白かった。
ある晩恭平は母屋の離れにある風呂場の隣の納屋の小さな節穴から義姉の脱衣場を覗き込んだ記憶がある。
農作業で汚れた下着を脱いだシーン、豊満な乳房がたまらなく目に入って異様な興奮を抱いた。
その晩は硬くなったチンぽをせっせとしごいて射精した事もあった。
あれからもう何年も過ぎた今、初枝にあって再び想い返すのだった。
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